第9話「ジャスティーフォースVSディグニス」

セイラを救出したクロスセイバーとグレイザーはスカー達も退けた。


「よし、次元の扉を閉じたしこれ以上奴らが侵入してくる事も無いだろう」

「セイラも大分魔力を奪われたみたいだし、早く回復しないとな」

「ええ……」

「よし、皆の所に戻ろう」


グレイザー、クロスセイバー、セイラの3人は金光コーポレーションのビルを降りる。


その頃、ドライガー達3人のヒーローはディグニスに倒されてしまっていた。

「やれやれ……3人掛かりでその程度とは……それで良く世界を救えたものだ……」

ディグニスはドライガーを蹴って仰向けにさせる。

「くっ……テメェ……」

「さて……折角だ。戦利品として貴様の竜の宝玉を貰って行くか」

「ふざけんな……」

「もう抵抗する力も残ってないクセに強がるなよ……」

ディグニスがドライガーにトドメを刺そうと手をかざす。

「待て!」

「あん?」

ディグニスが声がした方を振り向くと……。

大谷が来て居た。

「次元の扉は閉じたぞ……お前達の負けだ!今すぐこの世界から消え失せろ!!」

「俺達の負け?何寝ぼけた事言ってんだ?ヒーロー共はくたばり立っているのは俺……それにまだそこら中にゾアギールは居る……どう見てもお前達の負けだろ?」

「さっきグレイザーから連絡があった。スカー達は撤退したそうだ。もうこれ以上戦う必要ないだろ?」

「戦う必要ないだと?ふざけんな!!俺達はお前らやヒーロー共を殺してこそ真の勝利を得られる!だからトドメを刺すんだ……」

「だったら殺すのは私1人にしろ!無駄な血は流したくない……」

「はぁ?テメェの命に何の価値があるってんだよ?ヒーローは殺す……俺の邪魔をした奴らも全てな……」

「どうしてもダメか?」

「ああ、どうしてもだ……」

「くっ……」


だがそこに……。

「大谷さん!!」

グレイザー、クロスセイバー、セイラが戻って来た。

「何っ!?」

「へっ、時間稼ぎ成功……」

「何っ!?」

ドライガーはディグニスの足をガッチリと掴んでいた。

更に星影もディグニスを捕える。

エクスカイザーの必殺技『ストライクフィスト』でディグニスにパンチを叩き込む。

「ぐあっ!?」

まともにエクスカイザーの必殺技を食らいよろけるディグニス。


「ディグニス!いくらお前でもこれだけのヒーローが集まってるんだ!勝ち目は無いぞ!」

グレイザーが言い放つ。

「チッ……たかが2人増えた程度でいい気になるなよ……俺は貴様らを必ず殺す!!」

ディグニスはグレイザーに襲い掛かる。

グレイザーも応戦する。

「皆さん大丈夫ですか?」

クロスセイバーがドライガー達に駆け寄る。

「ああ……だがもうそろそろ俺らも体力の限界だ……次の一撃で決めないとまずいぞ……」

「それなら任せて下さい」

セイラがドライガー達に寄って来る。

そしてセイラは回復魔法でドライガー達の体力を回復させた。

「セイラ……お前……」

「助けて貰ってばかりじゃなくて……私も役に立ちたいもん」

「セイラ殿……」

そして、セイラの回復魔法のお陰でドライガー達の体力は回復。

しかし、全ての魔力を使い果たしセイラは倒れてしまう。

「セイラ……お前、そんな極限状態で……」

「サンキュー、セイラちゃん。セイラちゃんがくれたチャンス無駄にはしないぜ」

グレイザーがディグニスに投げ飛ばされる。

「ぐあっ!?」

「守さん大丈夫ですか!?」

「ああ……何とか……」

「フンッ……そろそろ死ねグレイザー……」

「おっと!そうは行かねぇな!」

ドライガーが前に出る。

そして、その横に星影とエクスカイザーも並び立つ。

「何っ!?お前達、まだ動けると言うのか……」

「当たり前だ!!忘れてねぇか?お前が今相手にしてるのはそれぞれが世界を救った最強のヒーローなんだぜ!!」

「ぐっ……」

「もう拙者達は貴様に負けん!!」

「今度こそ引導を渡してやるぜ!!」

「皆……」

「立ってくれよグレイザー……俺達、ジャスティーフォースのリーダーはあなたなんだからさ!」

「僕が……リーダー?」

「ああ、あなたが居たから俺は戦い続ける事が出来た。この世界の英雄はグレイザーだ!だから立ってくれ!!」

「分かったよ……」

グレイザーは再び立ち上がる。

「じゃあもう一回行くよ……」

中央にグレイザーが立つ。

そして、星影の隣にクロスセイバーも並び立つ。


ヒーロー達が左からクロスセイバー、星影、グレイザー、ドライガー、エクスカイザーの順に並んだ。


「ジャスティーフォース!GO!!」

グレイザーの掛け声でヒーロー達が一斉にディグニスに向かって走り出す。

「上等だ、ヒーロー共ー!!」

ディグニスも正面から迎え撃つ。


ヒーロー達は入り乱れながらディグニスと戦う。


だが、ディグニスも生き残っているゾアギールをヒーロー達に向かわせる。


星影の必殺技『奥義・星影一閃』でゾアギール達を倒す。

続いてクロスセイバーも必殺技『クロスラッシュ』でゾアギールを数体倒す。

エクスカイザーは必殺技『ストライクフィスト』を連発しゾアギールを次々に倒して行く。


そして、グレイザーとドライガーがディグニスと戦う。

ドライガーは『ウォータードラゴン』『ストームドラゴン』『グランドドラゴン』と次々にフォームチェンジを繰り返し攻撃を叩き込む。


そしてグレイザーが『グレイバスター』を構える。

「喰らえ!!」

グレイザーは『グレイバスター』のエネルギー弾を撃ちディグニスに攻撃。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

ディグニスに大ダメージ。


そして、エクスカイザー達も襲い掛かって来るゾアギールを全て倒した。


「ぐっ……おのれ……ヒーロー共……」

ディグニスもかなりのダメージを受け明らかに弱って来ていた。

「凄い……これが世界を救ったヒーロー達の戦いか……」

大谷も目の前で起きている激闘にただ見ているしかなかった。


「ぐっ……こうなったら奥の手だ……」

「何っ!?奴はまだ隠し玉を持っているのか……」

ディグニスは周囲に倒れているゾアギールの体を喰らい始めた。

「うわっ……あの怪物を喰ってやがる……」

「何をする気だ……」

ゾアギールを喰らうディグニスの姿は正におぞましいモノだった。

「ハァ……これ位でいいか……うっ……うおぉぉぉ……!?」

「何だ?」

大谷が直にディグニスの体をスキャンし分析し始める。

「これは……奴の体は物凄い勢いで細胞変化が起こっている……」

「え?それってどういうこと?」

「奴はとんでもない化け物になろうとしているって事さ」

グレイザーが説明している間にもディグニスはどんどん姿を変えて行く。


ディグニスは人型だった姿からゾアギールを取り込んだ事で異形の怪物の姿へと変貌していった。


「ヒーロー共……貴様らのせいで俺はこんな醜い姿になった……絶対に許さんからな!!」

ディグニスはゾアギールと融合し、ゾアディグニスとなった。

ゾアディグニスは背中から長い腕が更に2本生えその腕でヒーロー達をなぎ払った。

「うわぁぁぁぁっ!?」

ゾアディグニスのその一撃でヒーロー達は大ダメージを受けてしまった。


「クソッ……なんてパワーだ……」

グレイザーが呟く。

「アイツ……今までとは桁違いの強さだ……」

ドライガーも呟く。


そして、ゾアディグニスは気を失っているセイラに近付く。

「はっ!セイラー!!」

クロスセイバーはセイラが狙われている事に気付き叫んだ。

しかし、セイラは目を覚まさない。


「小娘……お前は一緒に来い……」

ゾアディグニスはセイラに向かって手を伸ばす。

「させるか!!」

大谷がマシンガンでゾアディグニスを攻撃し、必死に抵抗する。

「大谷さん……セイラ……」

クロスセイバーは力を振り絞って立ち上がる。


「クロスセイバー……そうだ……俺達が諦めちゃ行けない……皆!立つんだ!!」

グレイザーが皆を奮い立たせる。

「勿論……まだ諦めて無いっすよ!」

ドライガーは気合いで立ち上がる。

「こんな所で倒れたら……おやっさんに何言われるかわからねぇからな……意地でも立ち上がってやるぜ!!」

エクスカイザーも立ち上がる。

「拙者は……300年も妖怪を封印して来た……気力じゃ誰にも負けないでござるよ!!」

星影も立ち上がる。

「皆ー!これが最後の戦いだ!本気で行くぞー!!」

「おう!!」


ヒーロー達はそれぞれの最強フォームへとチェンジ。

グレイザーは『ブレイブフォーム』

ドライガーは『ライトニングドラゴン』

エクスカイザーは『EX(エクストラ)フォーム』

星影は『星影-大将軍』にそれぞれチェンジした。


「凄い……」

まだ強化形態の無いクロスセイバーは先輩ヒーロー達の勇姿を目の当たりにしてただただ驚いていた。


いよいよジャスティーフォースとディグニスの最後の決戦が始まる。


続く……。

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