第6話「ヒーロー集結」
グレイザーとドライガーのピンチに次元の扉が開きそこからミカドが現れ、その中からクロスセイバーと星影が降りてきた。
「テメェらの好きにはさせないぜ!!」
「!君達は……?」
グレイザーが驚き尋ねる。
「俺達も正義の味方さ」
「一緒に悪党を成敗するでござる!」
「ござる?」
「チッ、邪魔が入ったか……まぁいい……本番は明日よ……テメェらがどこに居ようが俺達の計画は止まらねぇ……明日はヒーロー全員の命日だ……」
ディグニスはそう言い残して姿を消す。
「逃げやがったか……」
「ありがとう助かったよ……君達は一体?それになんで勇一君がここに?」
「私から話そう」
そう言って出てきた大谷。
守と勇一、それに藤波博士と葛城も招き入れミカドのミーティングルームで話す大谷。
「まず我々はこことは別の世界から来た人間だ。君達の世界以外にも多くの次元が存在し、そのそれぞれの世界で戦って来たヒーロー達が居る……それがここに居るオビト君と小十郎さんだ」
「平行世界ですね……」
「ほぉ……理解が早いな」
「一応宇宙工学を勉強していて、そういう分野にも……」
「なるほど……」
「なぁ、俺達以外にも平行世界にヒーローが居るのは俺も知ってるが……どうやって移動してきたんだ?」
「それはこの船に組み込まれてる特殊なクリスタルの力でな」
「クリスタル?エクゾリウム鉱石とは違うんですか?」
「エクゾリウム鉱石?」
「はい、僕たちの世界で数年前に発見された鉱石なんですけど……スカー達はそれを利用して別の世界に侵略しようとしてるみたいなんですけど……」
「聞いたことないな。恐らくそれはこの次元にしかない物だろうな……」
「俺達はディメンションクリスタルってやつの力でこの世界に来たんだ。ほらコレ」
そう言ってオビトは腕に装着している『ディメンションブレス』を見せた。
「これで平行世界の移動を!?ちょっと詳しく見せて!」
守は興味津々。
「まぁ、次元移動の話はそれぐらいにして……もっと重要な事を話そうか」
大谷が話を止める。
「あの……それじゃあ、あなた達は何故スカー達の存在を知ってるのか教えて下さい……奴らと戦った事はあるけど、奴ら未だに謎が多くて……」
「そうだな……今分かっている事だけだが……」
そう言って大谷はスカー達について今分かってる事を語り始めた。
まず、スカー達の組織名や目的は未だに不明だ。
ただし、あらゆる平行世界の悪と手を組みそして今ヒーロー達を倒そうと計画している所を見ると、恐らく全ての平行世界を侵略する事とBLADEでは推測している。
その為にあらゆる手段を使って別の次元へ移動する為の技術を模索している事だろう。
「……まぁ、今言えるのはこれだけだがな……」
「つまり……あまり情報は無いんですね……」
「それよりこれからどうするんだよ!?明日にはもう奴ら大軍勢で攻めて来るんだぜ!?」
「ああ、こちらも奴らに対抗する為、君達ヒーローの力を結集させる為に君達をスカウトに来たんだ」
「スカウト!?」
「ああ、君達ヒーローで構成される最強チーム、ジャスティーフォースを作る為にな」
「ジャスティーフォース?俺達ヒーローの最強チーム……なんか……壮大なスケールの話になってきたな……」
「守さん!やりましょう!」
「ああ、これだけ仲間が居ると心強いしな!」
「あっ!直樹さんにも声を掛けた方が……」
「直樹?エクスカイザーの工藤直樹か?」
「そう!」
「彼は既にスカウトしたんだが……」
「どうしたんですか?」
「連れてくる直前に敵の襲撃にあってな……」
「一応俺達と合流出来る様に個人用の次元移動装着を渡して来たんだけど……」
「未だに彼とはコンタクトが取れないんだ」
「そんな……」
皆が話し合ってる一方で……。
「まったく話について行けん……」
小十郎は話についていけてなかった。
だがそんな時。
「隊長!次元の扉が開かれました!」
佐藤が慌ててミーティングルームに入って来た。
「何っ!?」
佐藤に付いて行ってみるとミカドの外に次元の扉が開かれていた。
「まさか……」
そして、その中から現れたのは……。
「よっ!待たせたな」
エクスカイザーだった。
「エクスカイザー!?良く無事だったな!!」
大谷とオビトが駆け寄る。
「あの人がエクスカイザー?」
寛太は少し離れた所で見ている。
「ああ、ちょっとヤバかったけど、仲間が助けてくれてな」
エクスカイザーはMが変身したモササウルスヴィランに大苦戦しトドメを刺される寸前だったが、そこにダッシュライザーが現れピンチを脱していた。
「おい工藤、何か急ぎみないやな……ここは俺に任せて行け」
「お、おう!助かるぜ!」
「ダッシュライザー……お久しぶりですね……いづれあなたにも復讐をと思っていた所ですよ……」
「ならここから俺が相手だ……」
そのままダッシュライザーがモササウルスヴィランと戦いエクスカイザーを行かせた。
「そうだったのか……とにかく無事で良かった」
「工藤さん!」
勇一が駆け寄って来る。
「勇一?おう、久しぶりだなぁ!」
「あれ?2人は知り合い?」
「前に一度だけな。一緒に戦った事がある」
「これで5人のヒーローが揃ったな。よし!ジャスティーフォース結成だ!」
こうしてヒーロー達の最強チーム『ジャスティーフォース』が誕生した。
しかし、それは同時に新たな戦いの幕開けであった。
スカー達の元へディグニスとMがそれぞれ集まる。
「揃ったな」
「ん?まだブルートが居ませんが?」
「奴は死んだ。だからこれで全員だ」
「なんと!?」
「ケッ、死んだ奴の事なんざどーでもいい……さっさと始めようぜ、ヒーロー殺しの祭りをよぉ!!」
「チッ、黙れディグニス!」
ブラウがディグニスにキレる。
「まぁ待てブラウ……ブルートが死んだのは奴がその程度だったからだ……作戦決行は明日の日の出と共に……それまではゆっくり休め……祭りを盛り上げる為になぁ」
スカーは作戦開始を日の出と共に決行するようだ。
決戦前夜、ヒーロー達も明日の決戦に備えミカドの船内に用意された部屋で床に就く。
しかし、それぞれ考え事をしていたり思う事があるようで中々寝付けずにいた。
ベッドで横になるが、中々眠れない様子の守。
そこに、藤波博士がやって来た。
「どうしたんだ?守君、明日の戦いに備えてもう寝た方がいいぞ?」
「藤波博士……えぇ……それは分かってるんですけど……」
「眠れないのか?」
「はい……」
「そう言えばさっきの話途中だったな……君が日本に一度帰って来たもう1つの理由……」
「ああ、それなんですけど……明日の戦いが終わったら話しますよ」
「そうか……なら絶対勝って来い」
そう言いながら藤波博士は守の肩をポンと叩いた。
「じゃあ、もう寝なよ。おやすみ……」
「はい……おやすみなさい」
藤波博士は部屋を出ていく。
勇一もつい考え事をしてしまっている様で寝付けずに居た。
「クソッ……アイツら……絶対にぶっ倒してやる……」
そして、直樹も……。
「スカーにM……そしてディグニスか……こりゃ面倒な戦いになりそうだな……」
小十郎は寝付けず素振りをしていた。
「ゆきぴょん殿……どうしてるでござる……」
オビトはセイラの心配をしていた。
「セイラ……必ず助けるからな……」
それぞれの想いを胸に夜が明けて行く。
朝、大谷がヒーロー達を集める。
「皆、今日は君達にとってかつてない程大きな戦いになるだろう。それぞれの世界、そして君達の未来を守る為にどうか力を貸して欲しい。ジャスティーフォース出動だ!!」
一方のスカー達は……。
「ディグニス……貴様の大軍勢とやらをこの世界……いや、あらゆる次元に一斉に送り込む……その為にもこの女の力を利用しろ」
「おう、おい小娘、お前の魔法を利用させて貰うぞ」
「くっ……何する気……?」
ディグニスがセイラに向かって手を伸ばすと……。
ディグニスはセイラから魔力を吸収し始めた。
「ぐっ……あああっ……」
そして、その魔力を空に送り込むと次元の扉が開き大軍勢がやって来た。
続く……。
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