左慈による黄皓への仕置き
警戒を強める黄皓のことなどつゆしらず式神を手に何やら詠唱を始める左慈。
左慈「邪なる者よ。その姿を現すが良い。四聖召喚」
左慈の言葉で、この世界を守護する四聖獣が姿を現す。
???「我が名は
???「私は
???「
???「ワシは
左慈「邪なる者が世界に干渉してありますれば、守護される神の遣いであらせられる四聖様のお力をお借りしたいと思いましてな」
白虎「フッ。成程。同化の術とは。考えたものだ。まぁ、我には通用せんがな。そこだ」
白虎の言葉を受け、驚く黄皓に白虎の雷が無数に降り注ぐ。
白虎の雷をもろに受けて、骨がビリビリとした状態で現れた黄皓。
黄皓「ぎょえーーーー」
朱雀「燃やし尽くしてア・ゲ・ル」
続けて、朱雀の炎を受けて、その身が業火に包まれる黄皓。
黄皓「ぬわぁぁぁぁぁ」
青龍「生ぬるい。その姿、この世に微塵も残さぬぞ」
青龍の嵐によって、雨で洗い流され骨となった黄皓が竜巻によって粉々に粉砕され、粉末状になって、1箇所に落ちていく。
黄皓「あがががががが」
玄武「だから言ったのじゃ。呪術など封印せよとな。さぁ、地獄に行き、閻魔に可愛がってもらうが良いわ」
玄武によって、粉末状となった黄皓が突如として現れた亀の甲羅に封印されると同時に地面の中へと沈んで、閻魔の元に送られる。
黄皓「あぱぁ」
左慈「これで小生の役目は果たした。四聖様、協力感謝しますぞ」
白虎「劉玄徳であったか?1人の人間に入れ込むのはやめておけと言ったが」
朱雀「もう。そう、カリカリしないの白虎ったらぁ」
左慈「ハハハ。心に留めておきましょうぞ」
青龍「左慈よ。もう邪なる者が現れぬようきちんと管理せよ」
玄武「呪術なるものは、もう伝わらぬように消し去っておくのじゃ。良いな?」
左慈「小生が承知し申した」
その言葉を聞いて、四聖が天へと帰っていく。
劉林「キャッキャ」
劉林は、悪い奴が退治されて嬉しそうに鳴いていた。
孟達「まさか。劉林様には、あの男が見えていたのか?しかし、あのようなみずぼらしい男、見たことがないのだが」
その手で抱いていた孟達は、己の不手際を責める。
目を覚ます黄朱美。
黄朱美「はっ!劉林は?劉封様は?あの男は!?」
取り乱す黄朱美を宥める左慈だが残酷な真実も伝えることとなった。
左慈「安心せよ。あの男は小生が滅した。劉封は、残念であった。その最後は、弟の身代わりに」
黄朱美「そんな。うっうっ。幼いこの子を残して先に逝くだなんて。さぞ無念でしたでしょう。私なんかを愛してしまったがために。貴方の命が」
左慈の言葉を聞いて崩れ落ちる黄朱美の目には涙が溢れていた。
その涙が天に届き、奇跡が起こった。
心の臓が止まっていたはずの劉封だが、なんと息を吹き返したのだ。
張角「奇跡じゃ」
劉備「劉封、私がわかるか?」
劉封「ち、ち、う、え?あ、と、は?」
劉封は頷くと真っ先に弟の心配をしていた。
劉備「無事だ。お前が守ってくれたおかげだ」
劉封「よ、か、っ、た」
劉備の言葉を聞いて、阿斗が無事であることを知った劉封は、気を失った。
劉備「劉封?劉封?嘘であろう」
張角「大丈夫じゃ。身体に回っていた毒も綺麗さっぱり消えている。気を失っただけのようじゃ。ゆっくり休ませようぞ」
劉備「あぁ。わかった。張角に全て任せる」
その頃、四聖によって呼び出された黄色い龍が鎮座していた。
???「これで良いか?肩入れするなと言っておきながら、手を貸すあたり、相変わらず素直では無いのぉ白虎」
白虎「な!?
朱雀「まぁ、こんな機会なんて早々無いんだし、良いんじゃな〜い。それよりも黄竜様、どうです?一杯」
黄竜「フォッフォッフォッ。朱雀に次いでもらえるとは。もらおうかのぉ。グビグビ」
青龍「このようなことでお力をお借りして、申し訳ありませんでした黄竜様」
黄竜「良い良い。数奇な運命で導かれた少年が紡ぐ未来とやらに興味が出ただけの気まぐれじゃ」
玄武「よもや。傷を完全に癒すとは思いませんでしたぞい」
黄竜「なーに、閻魔の奴は、地獄に空きは無いなどと申し、我らが神は、天界に召される時ではないなどと。都合が良かっただけのことじゃけ。ふわぁ。久々に力を使って疲れたわい。左慈の若造は元気であったか?」
白虎「相も変わらず1人の男に肩入れしておった」
黄竜「劉玄徳か。彼の者の義弟じゃったか?軍神と違い神とはなれんと言ったがのぉ」
朱雀「そういうのじゃないんですよぉ〜。人が人を推すってのは〜。ヒック」
黄竜「そういうものか。うむ。まぁ良い。ここまで、歴史を捻じ曲げて見せた少年の行く末に乾杯じゃ」
玄武「黄竜様は、随分とその少年のことがお気に入りのようじゃ」
黄竜「フォッフォッフォッ。そう見えるなら。まだまだ青くて甘いぞ玄武」
天の奇跡をもたらしたのは、黄竜の気まぐれか。
はたまたここまで、歴史を歪ませて見せた少年への粋な計らいか。
死ぬ運命であった劉封が救われることによってもたらされることとは。
それは、誰にもわからない。
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