二十一年 十月 「ウィスキーの小瓶」

 バーのカウンター席で、目の前のテーブルにはウイスキーの小瓶。それと1/4ほどの茶色い液体を注がれたグラス。さあどうする?


 筆者は体質でお酒が飲めないのですが、アルコール無しでもいくらでも盛り上がれるのでアルコールの必要性が分かりません。素面しらふで同席していると、どうしてそんな寂しい顔をするの。友人Tはお酒が入らないと会話に参加出来ないという大酒飲みなんですが、その理不尽な疎外感は何なの。言いたいことがあるのなら飲まずに語ってみたまえ。全部聞いてあげるから。



  おじいちゃんのコートのポケット内緒だよ(ハシ坊!)←キタ!

 

 季語は「コート」で冬です。祖父はお酒が大好きで、いつも風邪薬と称してウヰスキーをコートのポケットに忍ばせていました。とメモ欄に書いて提出しましたら、夏井先生の添削は「風邪薬と称してウヰスキー」というフレーズの方が俳句になりますよ。とのこと。そうだったのか。


  (推敲)ポケットのボトルいわゆる風邪薬

   

      風邪薬と称して実はウヰスキー

   

  (二句とも季語は風邪薬)



   バレンタインボンボン用のナポレオン(選外)


  バレンタイン用に、ボンボンショコラを作る材料を買ってきました。

 板チョコにナッツやドライフルーツ、生クリームにブランデーの小瓶。そこに通りかかった父が目を剥いて「おい、ナポレオンなんか何にするんだ?」

 「バレンタインだよ~」

 「まさか、こんな良い酒をチョコレートに混ぜるんじゃないだろうな?」

 「まさか混ぜないよ。中に仕込むの! うるさいからあっち行って!」

 父、去り際にもう一言。「俺にもチョコくれるのか」

 「あげる、あげる」早く立ち去れ!



   鷹匠たかじょうの回し飲みするスキットル ☆並選

 

  拙作の長編チャンバラ・ファンタジー「鬼将軍と龍の宝」https://kakuyomu.jp/works/1177354054892714458 の中で主人公の若様とお殿様がをする場面があるのですが、その資料に読んだ本の中で、本物の鷹匠さんの話を聞き書きしたという「天皇の鷹匠」(諏訪流第十六代鷹師 花見 薫(著者)佐伯修(聞き書き)草思社 )が最高に面白くて夢中で読みました。人には絶対に懐かない鷹という誇り高い鳥を飼い、呼吸を合わせて狩りをする、その勇壮さ猛々しさ。お勧め本です。


 季語は「鷹匠」で冬です。寒い季節に野山を駆ける鷹匠さんたちは、ときには錫のスキットル(金属製の水筒)に仕込んだウヰスキーを回し飲みして寒さをしのいだ、という句です。鷹狩り中にお酒を飲むのはどうなんだろうと調べましたが、資料が見つかりませんでした。

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