6-3

平「どうやら、貴様の命もここまでだったようだ。最後の直番の手を煩わせる必要も無かったな。ハハハ……」


然は、その時、やっと裏庭へとやって来た。


然「やはり、そうでしたか……さきほど六曜賽の目がアレでしたから……こんな事になるのではと心配していたのです……」


闘は、微かな声で、然に言った。


闘「然、仏滅だったのか? 俺達、もうダメなのか?」


然「違います。 しかし、こちらが、有利になる時間は短そうです」


闘「じゃあ、まだ……ゴホッ……」


闘は、血を吐いて、気絶した。


然は、平に聞き取れないくらい小さく呟いた。


然「六曜賽の目は『赤口』…、確かに良い目ではありません。しかし、可能性はあります……」


平「何をブツクサ独り言を言ってる。貴様もジキに同じようになる。せめて、念仏でも唱えな!!」


そう言うと、再び崖の上に向かって走り去った。



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