5-4

二つの術(わざ) が二人の中央でぶつかって爆発した。


闘「然、中火でいいのかよ?」


然「あちらが最大奥義を出せない以上、あちらの最大奥義の威力を推し量るためにはこちらも少し力を抑えねば分かりません」


闘「なるほど」


満「貴様、私、相手に手を抜くつもりか?」


然「いいえ、私たちには更に力を貸してくれるものがあるので」


満「助力する者だと?アイツの他に誰も周りにはいないようだが……」


然「人ではなく、物です」


然は、懐からモノを取り出した。


闘「それは、六曜賽!」


満「何だ、それは?」


然「簡単に言えば私のワザの威力を上げるか下げるかするもの」


闘「今回は何の目が出たんだ?」


然「『先負』、つまり後半に我々の方が有利になる目です」


満「何だと。それでは、満月を過ぎたという事は、半分を過ぎたという事だから……」


然「すでに我々が有利になる時間である、という事になります」


満「そんなバカな。おのれぇ、もう一度だ。『月光半月拳!』」

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