5-2

男「待ちくたびれたぞ!」


闘「何者だ?」


男「私か?私はこの『満の直』の直番、満(みつる)だ!」


闘「そのままじゃん!」


満「私は、彼の月光(かのがっこう)菩薩の力を託された者なり。貴様に私は倒せん!」


闘「それは戦ってみないと分からないぜ!」


満「あれをよく見ろ」


闘は、満の指差す方を見た。


闘「あれっ?半月になってる。確か、さっきまで、三日月だったはず」


満「あの月が中天で満月になったとき、我が奥義が炸裂するのだ!!」


然「闘、遅くなってすみません」


満「もう一人いたのか……まぁいい……お前ら二人に私の素晴らしき奥義、月光(がっこう)滅殺拳を見せてやろう」


闘「やるのか」


闘は、身構えた。


満「まぁ、待て。月が満月になるのに、少し時間がある。それまで私の拳の素晴らしさを、このDVDを見ながら解説してやる」


満は、そう言うと、どこからか持ってきたDVDプレイヤーを闘たち二人の前に置くと、再生し始めた。


満「この拳は、月光菩薩の力を借りているので、月が丸いほど威力が大きくなる。つまり、三日月<半月<満月となり、満月の時に最大となるのだ」


闘「然、コイツの話、聞く意味あると思うか?」


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