4-2

闘たちが、中庭?の入口に着くと、その真ん中に一人の男が立っているのが見えた。


闘「あいつか?」


然「そのようですね」


男「待ちくたびれたぞ」


然「貴方がこの直の直番さんですか?」


然は、男に向かって尋ねた。


男「いかにも。私がこの『除(のぞく)』の直の直番、入不出(いれいず)だ!」


闘「イレイズ?思い切り外人みたいな名前じゃん!」


イレ「私の母は、南蛮人。今風に言うと、外国人だからだ」


闘「全然和風じゃないな」


イレ「うるさい!貴様らに早速、俺の奥義を見せてやる、こっちへ来やがれ!!!」


二人は、イレイズの居る方へ歩いた。


イレ「ちょっと、お前、こっちに来い!」


そう言うと、寺の小僧らしき人を、イレイズは呼んだ。


小僧「はいっ?何か、御用ですか?」


イレ「いいから、そこに立ってろ!」


イレイズはそう言うと、小僧をある場所に立たせた。


そして、闘たちに向かって、こう言った。


イレ「俺の奥義を、今から見せてやる。お前ら、昔のパソコンに『CLS』ってキーが有ったのを、知ってるか?」


然「はい。確か画面にたくさん打ち込んだ文字を、一瞬で全部消す時に使ったキーですよね」


イレ「俺の技は、そこから来ている」


イレ「奥義『シー・エル・エス』!」


闘「何で、正式な言い方の『クリア スクリーン』って言わないんだ?」


イレ「その言い方は、より卑しい言い方だからだ!」


闘「たいして変わらないだろ、なぁ、然」


然「彼の中では違うのでしょう」

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