3-9

闘「あとは、お前だけだぜ」


立「何てコトを…。高かったんだぞ!」


立「うわーん!」


立は、いきなり号泣し出した。


闘「おいおい…」


然「闘、その辺でやめといてあげましょう」


そこへ、男がひとり、屋根の上に現れた。


男「こんな事だろうと思ったら、ヤッパリか…」


闘「お前は誰だ?」


男「そのうちわかるさ」


男「言っておくが、その男は、この十二直の直番の中で、最も弱い男だ。十二直の直番がみんな、そんな強さだと思わんことだ!」


男「何処かでまた会おう。そのときは、貴様らの最期かも知れんがな。ハハハハハ…さらばだ…」


男は、そう言い残して、屋根の上から消えた。


闘「アイツ、言いたいこと言って消えやがった」


然「おそらく、彼は、残る十一の直の、何処かの直番でしょう」


闘「…だろうな」


然「次の直に向かいましょう」


闘「確か…、次は除(のぞく)だったな…」


こうして、二人は「建」の直を 後にした。


第4章 につづく




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