3-7

その頃、立は、闘にトドメを刺そうと構えていた。


立「それでは、これで終わりだ!

塔頭石人拳 奥義『千手観音』!!」


闘「何っ!」


闘は、辛うじて顔だけ起こしたが、また倒れた。


然は、闘の所へ行き、耳元に囁いた。


立「何かをするつもりか?今さら無駄なコトを…」


然「それはどうでしょう?」


闘は、ゆっくりと立ち上がった。


闘「最後は、俺にやらせろ!」


然「さっき言ったことは…」


闘「あぁ、分かってる。合図を待てって言うんだろ」



闘「とりあえず、先に行くぜ、然!」


闘は、再び立に向かって走り出した。


立「バカめ。この奥義は、すべての石像や石碑から腕を出すことが出来るというもの。つまりお前の体を百本以上の腕が捕まえ、殴りつける事ができると言うことだ!!」


然は、静かに立に向かって言った。


然「先程、貴方の弟子たちから、面白い話を聞きました…。私も試していいですか?」


立「何をだ?」


然は側に在った石碑の一つを思い切り殴った。


立「あっ、バカ、やめろ!」


然のせいで、石が少し欠けた。


立「何をしやがる!」


立「いいや、落ち着け…あの程度なんとかなる…まずは突っ込んで来る奴から仕留めねば…」


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