3-6

立「あまーい。そんなはずが、無かろう。

『塔頭石人拳』!」


立が、そう叫ぶと、石像ではない、ただの黒板のような平たい石の中から、腕が二本出てきた。


そして、先ほどと同じく、一本が、闘の体を引き留め、もう一本の腕が、反対側の顔面を、思い切り殴り付けた。


闘「ぐおぅ」


闘は悶絶して、その場に倒れた。



然は、慌てて闘の所へ駆け寄ろうとした時、ここの直番の弟子たちの話が耳に入ってきた。


弟子A「しかし、うちの師匠は本当にケチで困るよ。この間も、あのテーマ曲のCD、ダビングさせてくれってさ…買えばいいのに…」


弟子B「墓石に使うような高価な石を買って石像やら石碑を大量に作って、侵入者に備えるとか、何を考えてるのやら…もっと、他の事に金を使えよな…」


弟子A「この間、ちょっと石にぶつかって端っこが、少し欠けただけで、物凄い剣幕で怒鳴られたよ…」


弟子B「やれやれ…」


二人は、廊下から部屋に入り、その声は聞こえなくなった。


然は、それを聞いて何かを思いついた。


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