3-5

然「闘、気をつけて…。きっと、何かしらの罠が…」


闘「そんな事、わかってる」


闘は、然に向かって、大きく頷いて、そう言った。


闘「お前のお望み通り、行ってやるぜ!」


闘は、全く罠が在ることなど気にしない、という風に、真っ直ぐ、立に向かって行った。


然「闘っ…、罠が在るかもしれないから注意してと言ったのに…」


立「我が拳の恐ろしさを思い知るがいい!

『塔頭石人拳』!!」


立が、そう言うか言わぬうちに、闘の横に在った腕の無い石像から、腕が突きだしたかと思うと、その腕の一本が、闘の体を引き留め、もう一本の腕が、闘の顔面を思い切り殴り付けた。


闘「ぐわぁ」


闘は、思わず、そう叫んでその場に倒れた。


立「これがこの『塔頭石人拳』の極意だ。つまりこの場の石像の好きな位置から我が腕や足で攻撃が出来る、というわけだ。ハハハハハ…」


立は、闘たちに向かって高笑いをした。


闘は、口から出た少量の血を腕で拭うと、

立に向かって言った。


闘「と言うことは、石像にさえ気をつけて進めば良いってことだよな」


言い終わらぬうちに、素早く立ち上がると、

また、立を目掛けて走り出した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る