3-4

闘は、辺りを見回して、こう言った。


闘「何だ、ここは?」


闘「然、見てみろよ。墓だけじゃなく、石碑や石像みたいのが、あちこちに建ってるぞ!」


然が見ると、確かに大きな黒板のように平たい石や、片足や片腕の無い石像があちこちに建っていた。


二人が墓地に着くと、すぐに、立はラジカセらしき物をいじって、スイッチをオンにした。


途端に、この寺に似つかわしくない、ラップ調の曲が流れ始めた。



♪『たっちゅ、たっちゅ、たっちゅ。


たっちゅ、たっちゅ、たっちゅ。


たっちゅ、たっちゅ、たっちゅ、塔頭(たっちゅう)!』


♪『たっちゅ、たっちゅ、たっちゅ。


たっちゅ、たっちゅ、たっちゅ。


たっちゅ、たっちゅ、たっちゅ、Get you(げっちゅう)!』



闘「何だ、この曲は。まるで、和風と程遠いじゃんか?」


立「私は、この『塔頭石人拳(たっちゅうせきじんけん)のテーマ』を掛けないと、戦いのモチベーションが上がらないのだ!!」


闘「それの、どこが『和をもって貴しとなす』なんだよ…」


然「確かに…」


立「うだうだ言ってないで、こっちに向かって来たらどうだ。まぁ、来れたらの話だかな…」


闘「それはどういう意味だ?」


立「来れば、わかるさ」


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