3-2

中に入るとすぐのところに、石の柱があり、そこには「建」と彫られていた。


闘「ここが第1の直か?」


然「そうですね。『建』と書かれていますし…」


闘「しかし、ほんとにデカい寺みたいだな…」


然「そうですね」


男「何者だ?貴様らは!」


闘「お前こそ、何者だよ。そんな格好をして…」


然「すみません。ちょっとお訊きしたいのですが、貴方が、ここの宮番(きゅうばん)さんですか?」


男「宮番?私はこの十二直の直番(ちょくばん)、『建』の立(たつ)だ!」


闘「そのまんまじゃねぇか」


然「すみません、宮番さんじゃなく、直番さんですか」


闘「そんなのどっちでもいいよ、然。それより、アイツ、何でそんな格好してんだ?」


然「確かに、私も気には、なっていました」


立「答えてやろう」


立は、一拍おいて言った。


立「それはこのカッコウが、この十二直の正装だからだ!」


闘「正装?ハッピが?しかもこのクソ寒いのに…半袖とか…オカシイと思わないのか?」


立「この十二直では、『和をもって貴しとなす』のだ」


然「それって、あの聖徳太子が言った、『仲良くする事が良いことだ』という意味の事ですか?」


立「全然ちが~う!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る