003 ニトロノール、誕生
目を覚ますとそこは草原だった。・・・雪国じゃなかった。
周りには木がぽつぽつある。地元の緑地公園Lv100みたいな場所だった。
周りに動物は・・・見えないなあ
「ここが・・・転移先ってことだよね」
〈はい〉
「そっか・・・ってうわぁぁぁ!?え、だれ!?」
〈私はケイです〉
ケイ・・・ケイ・・・?えっと、誰?
ケイなんて名前聞いたことが・・・ん?もしかして?光速演算の名前・・・?
〈はい。光速演算ナビゲーションシステムのケイです〉
「な、なるほど・・・それで、ケイさん?は何をしてくれるんですか?」
〈私は光速演算システムの操作補助や辞書などの役割をもっています〉
「えっと・・・じゃあまず、ここがどこか教えてくれる?」
そういえば、なんて言う世界なのかも聞いてなかったなあ。
〈ここはフーレラニア王国マーキュリー公爵領の端に位置するフェルムという町のはずれの丘の上です〉
「フラーレン王国、水銀公爵、鉄という町?」
〈違います。フーレラニア王国、マーキュリー公爵領、フェルムという町です〉
めっちゃ間違えちゃった。でもなあ、フーレラニアは似てるだけかもだけど、マーキュリーって水銀の英語だしフェルムは鉄のラテン語だし・・・
まあ、気にしても仕方ないか。異世界だし。
「フーレラニア王国、マーキュリー公爵領、フェルムのはずれの丘ね。わかった。近くに生き物はいる?」
〈半径2キロ以内を検索します。虫や小鳥などの小型の生物は多数いますが大型の生物は範囲内にはいません〉
「ありがとう」
なんとなく使い方がわかってきた。
というか光速演算ってこんなこともできるんだね・・・
流石Lv10、ってことかな?
「他にはどんなことが出来るの?」
〈光速演算単体では辞書としての役割、対象の鑑定と結果の表示、対象の動作を予測したり威力や速さの計測、事象の可能性を導くことで未来予測も可能です。〉
た、単体でそれだけのことが・・・
ほかのスキルはどうなの?
〈こちらをご覧ください〉
【
化学や物理に関するスキル
ポーションやマジックアイテムなどを作ることができ。
材料や加工方法に関する辞書機能もある
Lv10になったことで、この世のすべての物質を無限に生成可能
対象の温度や速度を自由に変更すること、電気を作り続けること、エネルギー
のみを取り出すことが可能
質量、体積、物質量の3つの単位で生成量を決定、誤差は1.0×10⁻¹⁰mol
鍛錬等の時間のかかる特殊加工も瞬時に行う
【
筋肉や目や耳などいろいろな器官を魔力を消費して強化するスキル
運動能力だけでなく視力や動体視力、聴力等も強化可能
物理耐性、魔法耐性、疾病耐性も上がる
Lv10になったことで、強化に必要な魔力は周囲から取り込むため消費しない
短時間ではあるものの身体の限界まで力を引き出す極限集中状態を作り出す
(ただし極限集中状態は魔力を消費する)
基本的な疾病にはかからなくなり、難病にも非常にかかりにくくなる
【
魔力、体力、スタミナの回復力を上昇させるスキル
短時間で大きく回復させることは不可能
ただし魔力は回復後に全体量が大きく増加する
Lv10になったことで回復速度が大幅に上昇
外傷や疾病の治癒速度も大きく上昇し、状態異常・毒を無効化
抗体の生成により同じ病に二度と罹らなくなる
【武術Lv1】
剣術、体術・格闘術、槍術、射撃術の腕前と上達に関するスキル
上記の武術の正確性、上達速度が大幅に上がる
Lv1~Lv10まであり、レベルが上がるごとにより正確性が大きく上昇する
ただし、上達速度はあまり上昇しない
【冷静】
心の健康と精神の安定に関わるスキル
ショッキングな事象に対して心のダメージを軽減する
予想外の出来事に関しても驚きにくく、パニックになりにくくなる
過度な緊張を少し抑えることができる
【収納】
物の保存、管理に関するスキル
時間の流れが存在しない亜空間を生成しものを収納、保存、管理する
時の流れがない関係上、温度、状態は変化しない
容量は上限は魔力量によって決定する
《ニトロノールの容量:無限》
と、書いてあった。
うーん、チートだね!\(^o^)/
もう勇者にでもなれって言われてんのか僕は・・・
他の俺TUEEEE(だったっけ)系の主人公も青ざめるよこんなの!
しかも何がヤバいって、僕魔王とか邪神とか倒せなんて言われてないんだよね!!
ゆっくり過ごしてくださいって言われただけなんだよね!!!
・・・逆にゆっくり過ごせないよこんなのッッッッッ!!!!!
世界の名だたる権力者で取り合いになるのが容易に想像できるよマジで!!!
端から下界を素人もしてないのが見え見えだよ天界のアホどもが!!!
ほんっとに現場を知らない重役と一緒じゃないか人間と変わんねえな!!
今度偉そうなツラして出てきたら原子炉に頭から突っ込んでやる!!
はぁ・・・はぁ・・・疲れた
〈お疲れ様です。ご主人様〉
あ、ごめん。ちょっとイラっと来ちゃって。
〈お構いなく。ご主人様、先ほど見ていただいたスキルなのですがスキル同士の連携が可能になります〉
スキル同士の連携・・・詳しく教えてくれる?
〈はい。例えば【錬金術】と【光速演算】を連携させ、物質の状態の測定や加工、合成のサポート、化学物質を自動で最適量生成したり、物を飛ばす際に弾道を予測。
他に【錬金術】と【武術】を連携させ爆発する化学物質を拳や足先に生成し爆発する攻撃や冷気をまとった攻撃が可能。
さらに【武術】と【身体強化】と【光速演算】を連携させ、極限集中状態と限界突破を組み合わせ、スローモーション状態を作り出し超高速かつ超高威力でカウンター攻撃が可能です〉
なんか、無限の可能性を感じる。
〈そして、これは【身体強化Lv10】【光速演算Lv10】【自動回復Lv10】が揃っている時のみ可能なのですが・・・〉
ちょっと衝撃的過ぎて目が点になってしまった。
――――――――――――――――
『今度偉そうなツラして出てきたら原子炉に頭から突っ込んでやる!!』
え、私下界に降りたら原子炉に頭から突っ込まれるの?
さすがに死んじゃうよ?いくら天使でも
い、いや確かに知らなかったよ!?知らなかったけど・・・
そこまでしなくてもいいんじゃないかな・・・?
う~ん、降りにくくなってしまったなぁ・・・
ま、まあ時間がたてば許してくれるでしょ。
次回ヒント:H₂O₍s₎・CH₃CH₂CH₂CH₃
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