第13話

 彼だけは、Fを追ってまだ進み続けていて、顔の原型は無くなっていました。彼は生まれ変わり、顔を無くし、それはつまり、芸能界から消えた、ということでよろしいでしょうか。この世からいなくなりはしませんが、貴方や貴方の親友にとって、取るに足らない存在になったと思います。

 テレビからFが消え、僕の家に寄ってくれるのを待ちましたが、もう会うことはありませんでした。嘆願書で呼びつけても良かったのですが、ただの手紙を書いて死に場所に送りました。

 内容は、『呪いの実行、どうもありがとう。君で良かったと心から思うよ。死に場所から自分の髪の毛を持っていったのなら、君は最初から何もかもを分かっていたんだね。彼を呪い、少女を守り、ワラを倒しただけでなく、君は宝石も破壊した。中のものが自分の国に帰ってくれることを祈るよ。あの、火の魔物がね。』というような手紙です。Fは現れませんでしたが、返信はすぐにくれました。普通郵便で次の日に届きました。その文を移して、この報告を終わりにしたいと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る