第12話
僕は、藁人形の顔の中心を釘を置き、金槌で打ちました。その瞬間、ワラが物凄い勢いでFに向かっていき、そのまま赤い宝石の中に吸い込まれていきました。それと同時に僕の手元にあった藁人形が燃え上がりました。あの日本最強の呪術道具が一瞬で、ただの塵になったのです。
その後は、Fがペンダントを首からかけようとして、落としました。首も無く、学ランの襟も焼けて無くなっていた為です。床にぶつかると宝石は粉々に砕けてしまいました。西洋の魔法は不思議ですね。魔法道具は、持ち主によって強度が変わることがあると言います。恐らくそれに当てはまるものだったのでしょう。反対に、Fの水晶はガムテープが剥がれ、きれいに直って赤く染まり、学ランも元通りになっていました。
出演者たちはまだ意識が戻らず、多くが白目を向いて、口から泡を吹いている状態でした。顔のない女たちが、さっきより薄くて、全体に靄がかかっているような姿でしたが、まだスタジオにいたのです。少女との契約が残っているので、いなくなることも出来ないようでした。そこで少女がまた『除霊』を始めました。さっきの何倍も時間がかかっているようでしたが、一人一人にとても丁寧に話をしているようでした。
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