第10話
Fはその後のことを察していたのか、手招きして少女を魔法陣の中に呼びました。少女は素直に従い、ただFと距離を置きながら、魔法陣の中に立っていました。まだ、交渉は続いているように見えました。それからすぐに、顔のない女たちが争いを始めました。ワラが反乱を起こし、一つ、また一つと火が消えていき、そこに喪服の女たちが残りました。少女がペンダントに念じていましたが何も効果もなく、スタジオの火は完全に消えました。もう少女のほうに気力が残っていなかったのだと思います。ワラが顔のない女を全員従えると、ぼーっとFと少女を見ていました。顔のない女たちは何か指示を受けたのか、まだ気を失ったままの出演者たちの後ろに一人ずつ立ちました。ワラが人質を取ったと、身振り手振りでアピールしました。Fと少女がワラを無視して言い争いをしているのを見て、ワラは激怒し、出演者の一人を掴んで魔法陣の前に引きずり出しました。人質になってない、ワラが取り憑いた顔のない女の宿屋で、彼でした。彼なら、ワラが触れることが出来るのも納得がいきます。Fの呪いを受けたのですから。
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