第4話
次にスタジオ全体を映した時、映像は出演者の声や流れていた曲の音が消え、全くの無音になった後、固まってしまいました。ただし、その中で少女だけが何の影響もなく、動いているのが分かりました。映像は止まっているわけではなかったのです。少女が他でもない、あのヤンキーカウンセラーの彼に向かって指で五芒星を切り、また何か唱えると、彼の背後からFが姿を現しました。人によって見え方は違うかもしれませんが、僕が見たFは学ランを着た少年で、首から上がなく、頭の代わりにサッカーボールぐらいの水晶玉が、常に顔の位置に浮いているような状態でした。その水晶の色はその時まさに赤から青に色が変わり、単純な考えですが、僕にはそれがFの不安を表していると思いました。幸いにもFは、もうすでに呪いをかけ終えていると、彼を見て僕は直感しました。生まれて初めて幽霊を見た時の顔は、誰でも大差はないのです。あとはFが撤退し、彼が呪われた事実がカメラを通して貴方や、貴方の親友に伝わればいいだけでした。
しかし、状況は思いもよらないことになりました。固まった他の出演者たちの前に、一体ずつ火の玉が現れたのです。出演者たちは目を見開いて驚きの表情を浮かべ、微かに動いていたので、そのスタジオにいる人の自由が奪われているのだと、その時知りました。
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