第3話

 燃える手紙の裏に、金色に光る火の文字が浮かび、ある住所を僕に示しました。『すたじお』の文字があり、バライティー番組を行う場所だと分かりました。それから、その宛先だけ書いた手紙を準備して、テレビをつけました。

 番組は問題なく進行していましたが、少女は異変を感じ取っているようでした。周りに気づかれないように首にかけているペンダントを両手で握り、何かを小さく唱え出しました。テレビで何度も紹介されていましたが、そのペンダントは西洋の、本物の魔法で作られた代物です。その中にいる、日本なら神として恐れ、崇めるようなものを、あちらの国では単なる魔物の1匹に数え、宝石に封じて装飾品にしてしまうのだから驚きです。日本の繊細でせこい呪術では本来対抗出来ないのですが、持ち主がまだ子供なので勝算は充分あると思いました。

 ここから先はテレビでご覧になっているかも知れませんが、もしかしたら他の視聴者同様、砂嵐にしか見えなかったかもしれないので、念の為、お伝えします。

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