第2話
今回、用意した呪術は、嘆願書または手紙と僕は言っていますが、赤い紙とも血書とも言われているものです。自分の血で、呪いのまじないや魔法陣を書いたり、それでコックリさんをやったりすることもありますが、僕の場合は通常、霊への手紙として使っています。自分で直接呪術をかけることは出来ませんので、それで霊に呪いをお願いするのです。だから嘆願書、手紙と呼んでいます。
呪いの実行者は、地縛霊の中から見つけました。貴方と似た境遇で、でも貴方の時のように、見守ってくれる親友はいなかった。助からず、中学生の時に命を落とした男子生徒です。その子を仮にFとしましょう。宛先はFの死に場所です。送り方ですが、ろうそくの火で燃やす方法を取りました。それが一番速いからです。
手紙の内容は、『君は優しく、賢く、分別のある人間だ。君をいじめた者、見て見ぬふりをした同級生や教師、それから、いじめを助長した担任に、どんな不幸があったか、僕は全部知っている。あと一人、ある男に災いをもたらしてほしい。出来れば今すぐお願いしたい。詳細は僕のスマホの中にある。僕のツイッターのアドレスを送る。君ならログイン出来ると思う。(ツイッターのアドレス)今、男のいる場所には除霊師がいる。事故で亡くなった人に対して、言葉もかけずに祓い塩を撒くようなトンチンカンだから気をつけてほしい。僕もサポートする』と、実際はこの何倍も丁寧な手紙で、最後に地縛を解くまじないを書きました。まじないは外国語で、訳すと「家族に会いたい、お家に帰りたい」という意味になるそうです。
その手紙に火をつけて皿に置くと、返事はすぐに来ました。
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