第1話

 先日依頼された恨みの件、呪術完了しましたので詳細を報告します。

「承りました。」と貴方に返信した後、僕は早速呪いの準備に取り掛かりました。標的の彼は、そのすぐ後、夜8時からのバライティー番組の生放送に出るので、それに間に合うように。

 彼を呪うだけなら急ぐ必要はなかったのですが、出演者の中に、あの除霊少女がいたので一泡吹かせてやりたいと思いました。ただまさか、あそこまで酷いことになるとは勿論、予想していませんでした。

 10代の、自分より一回りも年下の少女に対して、大人げなかったと反省しています。テレビタレントとしてチヤホヤされるあの少女を疎ましく思っていたのも事実ですが、そもそも僕は除霊師が嫌いなのです。霊しかり超自然現象の類いは除くことの出来ないもののはずです。祈ったり、貢いだり、生贄を捧げたり、契約を交わしたりはあっても、除外は出来ません。無くしたりは出来ないのです。共存以外ないのです。

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