第44話 再放送!プリンセス・ユグドラシルサーガ

「…ところで、プリンセス…いや、ひめちゃんは何で中学校に潜り込んだの?」

「潜り込んだ?!」

「麗ちゃんは色々あって、九歳で中学生やってるから、ひめちゃんもそうかなって」

「な、何でそんなことを…」

「えー、い、色々あったんですわ、色々…」

プリンセスのために頑張ろうとした結果なんですけどね


「いや、その…私は単に、何でか身長が伸びなくて…もう十二歳なんですけど…」

九歳くらいに見える十二歳で、転生前はおばあちゃん…

もう何が何だかわからないよこれ


「もっと後に生まれるはずだったものを無理にずらしたから

 身体の成長にも影響が出てる…とかかもな」 

「…マウンテンさん…」

「勉強したおかげだからな!別人じゃないからな!」

「わ、わかってますよ…やだなーもう」

鉄板ネタになってるね、頭のいいマウンテンさん


「日本はいいよな。子供は勉強が仕事だ!なんて言ってくれるし」

「あっちでもようやく、みんなが学問を受けられる場所ができたんですよ」

「マジか!…ありがとうな、プリンセス

 俺みたいな奴が、少しでも減ってくれたなら嬉しい」

なんだかんだ、転生で上手くいってる事の方が多い気がする

学校の事も、現代の知識を持った彼女が、プリンセスになったおかげだろうし

あ、ナースは除きます


「お、そうですわ…」

と、ここで、麗ちゃんが急に悪い顔になった

何か企んでるなこれ…


「ネームレスが作ったゲーム、みなさんで拝見しませんこと?」



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「やだよぉ…せっかく、せっかく友達になれると思ったのに…」

「どこまでも甘ちゃんですわね…」


不器用で鈍感で、でも真っ直ぐで、いつもみんなのために頑張ってて

そんなプリンセスに、みんながついていって

わたくしも本当は、こんな催眠魔法なんか使わずに……


「でも…そんなあなたが…嫌いでは…なかった……わ」

「そんな………いやああああああああああああああ!」


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「はわああああああああああああ?!」

自分のシリアスシーンを見せられて

顔を真っ赤にしながら、ごろごろとベッドを転がるプリンセス

反応が麗ちゃんと全く一緒だ!


「や、やめてれーちゃん…これ恥ずかしすぎるよぉ…」

「ほほほほほ、プリンセスものたうち回るといいですわ!」

「麗ちゃん、これ自爆じゃない?」

「わたくしだけ恥ずかしいのは許さないですわ!」

開き直りって怖いなぁ…



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「マウンテン…最後に、何か言っておくことはあるか?」

「ネーム、レス…」

山が崩れる時、最後までいたのは、共に戦った暗殺者


「俺、勉強、もっと、した、かった」

学ぶという事ができなかった彼

皮肉にも、四天王に入らされてから

初めて知る喜びというものを覚えたのだった


「レイシィに、色々、教えて、もらった、楽しかった」

「…そうか」

「ありがとう、それだけ、つた、えて…」


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「お、俺こんなに片言じゃねーぞ?!くっそ、ネームレスの野郎…」

「いや、こんな感じでしたわよ?この場面にはいませんでしたけど」

「ぐ、ぐぬぅ…」



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「「「私達にしかできないなら、それは私達がやることだ!」」」

「…みんな!どうして…!?」

「プリンセス一人が生贄になって生き永らえるなど、愚の極み」

「もう終わりにしよう」

「あいつを倒して帰ろう、みんなで過ごしたあの学び舎に…!」


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「いい話です…ヒロイン素敵でしたね……」

「いや、ひめちゃん、あなた本人でしょ?!」

「なんか人に語られると、客観視できるというか、してしまうというか…」

「ネームレス、こんな才能あったのか…」

彼には魅せる文章、魅せるゲームに落とし込む才能が、確かにあったんだ

バグさえなけりゃなぁ…何度も言うけどぉ


「そういえば…結局、誰がプリンセスのお婿さんになったの?」

ゲームでは色んなキャラを攻略できるけど、本命は誰だったのか…

いわば正史はどれだったのか…ファンとしては気になるよね♪

知りたくないーってファンも、もちろんいるけどね


「ゲームでは好感度MAXで最後のフラグを立てた相手と結婚するけど」

「えー…そ、それは……秘密ですっ」

そっぽを向くプリンセス


「わたくしの見立てでは、シーザーが怪しいのではないかと」

「あ、うん、いいキャラしてるもんねシーザー!

 『いや、それは違うな。プリンセスよ』

 …ってあのセリフカッコいいよね!」

「…あ、顔が赤くなってますわよ」

「あたり?あたりかな?」

「んもー!からかわないでー!」

最期はガールズ(?)トークに花を咲かせながら

第一回プリサガ同窓会は幕を閉じたのだった

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