第20話 継承!猫耳スク水セーラー魔法少女!

充電の切れてるスマホを10数分かけて充電しなおし

麗ちゃんに昔のあたしのコスプレ画像を見せる


「…あら?誰ですのこの子…美遊様の部屋に勝手に上がり込んで…」

「あたしだよ!」

「ええ?!」

画面に映ってるのは、白髪白肌でセーラー服を着ている、若い頃のあたし


「美遊様、ピンク髪小麦肌ではなかったですの?」

「染めて焼いてるんだよー。ファッションってやつで」

「ふむ…現代人のファッションと言うのはよくわかりませんわね」

「あたしもよくわかってない!」

「えええええ…」

「でも、ファッションってそういうもんじゃない?」

「そうですかね…そうですかも……?」

実際、ファッションの定義を明確にできる人がいたら教えて欲しい


「あ、かわいいですわー」

次に進み、あたしの白猫パジャマ写真を見て、思わず微笑む麗ちゃん


「こう、なんていうか、どれも背伸びした感じで、なんだか愛おしくなってきますわ」

「なんかそういわれると照れるじゃん…」

まあ、普段はその視線をあたしが麗ちゃんに向けてるので、おあいこかな!


「じゃあ、あたしのを見たところで…やろっか!」

さわやかな笑顔で、麗ちゃんのコスプレを要求していくあたし


「わ、わかりましたわ…」

ちょっと引き気味の麗ちゃん

でも、あたしの恥ずかしいのも見せたんだし…今更逃がさないよ!



「白猫パジャマ!」

「…にゃ、にゃーですわー」

「いいよいいよー、もっと媚びた感じで、上目遣いでいこうかー」

「ふ、ふにゃー…ご飯欲しいですわにゃー」



「魔法少女!」

「ほーっほっほっほっ!わたくしの魔法にひれ伏しなさい!」

「それなんか違う?!」

「王に代わってお仕置きですわ!」



「セーラー服!」

『い、一緒に帰って噂されると恥ずかしいですわ…』

「…なんですのこのカンペ」

「あたしが言ってほしかっただけ!」



「スク水!」

「え、えと、これは流石に恥ずかしくないですの…?」

「いいよいいよー!」(パシャパシャ)

ただのスク水ではなく、猫耳スク水しっぽ白ニーハイという、泳ぐ気ゼロの恰好

だがそれがいい!


「あ、あれ…?これを美遊様が着ていたという事は

 …実質、間接キスのようなものでは…?!」

「え?」

突然何を言い出すの麗ちゃん


「そ、そうですわ…わたくし、美遊様の肌に直接触れたものを身にまとって…」

「れ、麗ちゃん?」

い、いけない…恥ずかしさが限界突破して、訳が分からなくなってるっぽい


「あ、あ…ち、違いますのよ美遊様!

 わたくしこんなことで興奮する変態さんでは…!」

言い訳しようと前に出たところ、さっき脱いだセーラー服で足が滑ってしまう


「あっ」

「あ、危ないっ!」

前向きに転びそうになった麗ちゃんを、とっさにあたしが受け止める


「ふぅ…ご、ごめんね。ちょっとやりすぎたね」

麗ちゃんがとんらんしてしまうとは…


「あ、あの…美遊様……」

触れ合う肌と肌

あたしに受け止められ、顔を真っ赤にした麗ちゃんは

抱きしめられたまま、あたしの目を見つめ…


「な、何かな…?」

「わ、わたし…美遊様の……」

あ、これやばいやつだ

あたしも麗ちゃんのうるんだ瞳にドキドキさせられ、全く動けない

麗ちゃんの右手が、あたしの左胸のあたりに触れ、そして…


「美遊ー、おやつ持ってきたわよー」

お母さんが、あたしの部屋のドアをノックした


「あ、う…うん、ちょっと待って!今ドア開けるから!」

あ、危なかったような…惜しかったような…

複雑な気持ちを抱えつつ、ドアを開け、お母さんを招き入れる


「え…ど、どういうことなの、美遊。なんで麗ちゃんが水着を…?」

し、しまったああああああああ!

開けちゃいけなかったやつだこれ!

麗ちゃんのコスプレ大会開いてた、なんてお母さんに知られたら…!


「わ、わたくしが、美遊様の昔のお洋服を見せていただいて…

 それで着てみたい、と言ったら美遊様がお貸しくださったのですわ」

あ、ありがとう麗ちゃん…

麗ちゃんから言い出してくれたなら、少しはこの状況もマシに…


「あー…うんうん、そうねえ。確かに今の美遊だともう着れないもんねぇ」

おや?


「昔は私の家は貧乏でね…よくお下がりもらったものよぉ」

お母さんの昔話スイッチが入っちゃった?!


「今の子は教科書もすぐ捨てるけど、私の時代は…」

これは長くなるぞぉ…


………

……


「美遊、着れない服、麗ちゃんにあげちゃったら?世の中助け合いよぉ」

お母さま、その結論にたどり着くまで20分ばかしかかったのですが…


「あ、う、うん…あたしはいいけど…」

「ホントですの?!あ、ありがたくいただきますわ!」

「麗ちゃんがいいなら…」

だ、大丈夫なのかな?

麗ちゃんが、どんどん新しい性癖を開発していってる気がするんだけど…


「ありがとうございますわ、美遊様」

あたしに向かってにっこり微笑んでくれる麗ちゃん

うん…まあ、細かいことはいいか!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る