第18話 調査!プリサガの秘密

「発売元は転々堂で…企画・開発は…インテリジェントホームズ」

パッケージ裏を見て、プリサガの制作会社をネットで調べる

プリサガが何なのか、なぜ麗ちゃんが転生したのか

秘密を知る人たちに会うために


「ホームページは…あるね」

会社のホームページを見てみる


「うわ、今はスマホゲーもやってるのか…」

頑張ってるなぁ、という気持ちと、なんだか切ないような気持ちが…

このスマホゲーに、プリサガキャラが時空を超えて参戦!とかないかな

…ある訳ないな。会社の黒歴史だろうし


あー、あのスゴロクゲーム、別ゲーとコラボして新バージョン出るんだぁ

麗ちゃん誘って遊べないかな…


あたしが調べている間、麗ちゃんにはちょっと待っててもらってる

プリサガ関係の怪しいものが見つかったら、現地人麗ちゃんに判別してもらうのだ


「ふんっ、ほっ…!…あー!またアイコンが勝手に動きましたわ…!」

麗ちゃんはスマホと格闘している

なかなか慣れないもんだなぁ…


「お問い合わせのコーナーもある、けど…」

…この人たちにお問い合わせをして、応えてくれる可能性は…あるかなぁ?


『実はこのプリサガってゲームのキャラが、うちのクラスに転生してきたんです!』

…うん、頭悪い子と認定して、ゴミ箱行きかな…

会社の全員が異世界の事を認識してるなら、通る可能性はあるけど…


やはり当時のシナリオライターに、直接話すのが最適か…


wikiでライター確認…載ってないな

あ、でも

『プリサガのユグドラシルは

同じ会社の別作品フォレストエンブレムに出てくるものと共通点が多く

同一の存在ではないかと思われる』

なんて書いてあるな…


フォレストエンブレムは有名作品でシリーズも多いから

ライターわかるかもしれない

ユグドラシルが出てくるフォレスト作品は…


森山信也さん…横井健司さん…中津洋子さん……


SNSやってる人もいるけど、やってない人もいるな

…あ、SNSやってない横井さんはもう亡くなってるのか…

惜しい方を無くした……


じゃあ、森山さんか中津さんだとして…どんな文面で聞いてみるかな?


『私、プリサガの大ファンでして

 プリサガの動画を作って、動画サイトに出したいのですが

 あの感動的なシナリオを作った方に、ぜひお話をお伺いしたく…』


これじゃ弱いな…


「ねえ、麗ちゃん。プリンセスと一緒に学校通ってたよね?」

「ほうでふわよ?」

おやつに出されたあんぱんを頬張りながら、麗ちゃんが答える

気を緩めるとすぐ小学生に戻る麗ちゃんかわいい


…転生前の麗ちゃんの世界は、二つのパターンがあると思う


1・はじめにゲームがあって、そのゲームを元にして世界が作られた

  そして、麗ちゃんはその作られた世界の住人


2・現実とは別の世界がゲーム前から存在していて

  麗ちゃんと謎のシナリオライターさんはそこの住人

  謎ライターさんは、元居た世界の記憶をもとに、プリサガのシナリオを書いた


1のパターンだと、世界を作れる神様みたいな存在と話さなきゃいけない


2のパターンだと考えるなら…

たぶん、あのシナリオは学園関係者が作ってる

学園を中心に事件が進んでいて

内部事情を知らないと、あのシナリオは書けないはずだ


…とりあえず、2の方向性で進めるべきだと思った

顔がバグった件もあるし、1の可能性は充分あるんだけど…


「当時の学園関係者しかわからない、裏話的なのないかな?」

「うーん…そうですわね…

 プリンセスが調理実習で、マヨネーズとライスと卵で作った料理…マヨ卵かけライスが

 大人気になりまして、学食に正式採用されましたわ」

「あの世界マヨネーズあったの?!」

「それも、プリンセスが作ったオリジナル調味料ですわ」

あたしの知らないプリサガがどんどん出てくる


「…でもこの世界、マヨネーズ普通にありますわよね…

 ひょっとして、プリンセスも先にこちらに!?」

「いやいや、こっちの世界でマヨネーズ考案したの、おじさんだったはずだよ!?」

少なくともプリンセスではない…はず


「あー、よく考えればプリンセスも

『自分で考えたものじゃないけど』とか言ってたような…?」

「プリンセスも、こっちの世界に何か、繋がりがあったのかな…?」

まあ、今はその話、使わせてもらおう


『私、プリサガの大ファンでして

 プリサガの動画を作って、動画サイトに出したいのですが

 あの感動的なシナリオを作った方に

 ぜひお話をお伺いしたくDM送らせていただきました

 もし話してもいい、と思われたなら、こちらまでお返事を頂けると幸いです

 『マヨ卵かけライス』をご用意してお待ちしております』


…これでよし

もし、学園関係者なら何かしらの反応が返ってくる……はず

来るといいな…


「ぬあー、頭使って疲れたよもー

 麗ちゃん、膝枕したいからちょっと頭貸してー」

「疲れたのなら、普通逆ではなくて?!」

「あたしはかわいい麗ちゃんを甘やかすと癒されるから、それでいいの」

「…しょ、しょうがないですわね。わたくしのためにやってくれてるんですもの」

あたしの説得が通じ、麗ちゃんが膝の上でごろごろしてくれる

ふぅ…幸せぇ……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る