第15話 爆誕!天然ドスケベむっつり令嬢!

晴れ渡る青空、朝の通学路を麗ちゃんと歩く

なぜか今日は、朝から麗ちゃんが玄関前で待ってたのだ

朝からヒロインが起こしに来るのは、ギャルゲーでは定番イベントだけど

…何かフラグ立ててたっけ?


「あ、あの…美遊様……先日は大変お恥ずかしいことをしてしまい…

 その……申し訳なく…」

「大泣きしたこと?」

「そ、そーですわ!わたくし、オトナの令嬢としてあるまじきことを…」

ああ、それが気になってたのかぁ


「と言っても、すでに結構…いや、かなり子供っぽいこといっぱいしてるじゃん」

「ぜ、前世の記憶が戻っても、身体が子供のせいか

 無意識に子供の行動へ引っ張られてしまうのですわ…」

な、なるほど…そういうものなのか

身体は子供、頭脳は大人も大変なんだな……


「いいじゃん!折角のセカンドライフなんだし、子供時代をいっぱい楽しめば」

「で、でもその、令嬢のプライドというか、その…」

ぎゅーっ

ごちゃごちゃ言ってる麗ちゃんに、問答無用のハグ攻撃をお見舞いする


「も、もー!美遊様ぁ…」

「最近さ、抱きしめても抵抗ほとんどしなくなったじゃん」

諦めてるのか、それとも…


「実は、期待してるんじゃない?」

「?!」

麗ちゃんの唇に、そっと人差し指を重ねる


「え、いや、その、美遊様、待って…」

「期待には、応えてあげないとね」

「そ、そんな…こんな道の往来で…!」

あたしは麗ちゃんの太ももに手をかけ、ゆっくりと持ち上げ…


「ほーら、肩車―」

「……」

「久しぶりでしょー?」

真っ赤な顔でぽかんとする麗ちゃん


「…んもー!ばかばか黒ギャル!わたくしてっきり…」

「てっきり?」

「お、おスケベするのかと…」

ストレート?!

あ、あれ?ここは

『そ、そんなの言えませんわ!』

とか言って終了、あたしの完全勝利SSになるはずでは…?!


い、いや待て、よく考えたら身体は子供でも、現代以外の知識は大人なんだ…

つまり性知識は大人…!

子供の身体に大人の性知識…

つまり、むっつりスケベちびっこ令嬢の爆誕……!?


「わたくし…別に美遊様ならよかったのに…」

う、うわー!

また耳元で息を吹きかけながら囁いてくるぅ!


ドキドキしながら麗ちゃんを見つめていると

彼女は笑顔でウインクをしながら舌を出した


「えーと、こういうの何でしたっけ…?てへぺろ?」

「むむぅ…今回はあたしの負けだよ…」

流石、元悪役令嬢…一枚も二枚も上手だった……


「だがいつか必ず蘇り、麗ちゃんをドキドキさせてみせる!」

「……」

(…それでしたら、もうとっくに…)

「ん?」

「い、いいえ!何でも無いですわ!」

またまた麗ちゃんの顔が赤くなってる…なんでだろ?


「敗北の証として、今日は肩車タクシーをしてあげよう」

「ホントですの!じゃあ、とりあえず学校までお願いしますわ♪」

「はいよー」

上機嫌の麗ちゃんを乗せ、美遊タクシーは学校へ向け出発…したところ


「…むっ、美遊様、肩こってますの?ちょっと固いですわよ?」

シートの固さを指摘されてしまった

お嬢様の乗る車は一流でなければならないという事か…


「あー、うん、最近ちょっとね…ゲームのやりすぎかなぁ」

「ふむ…」

麗ちゃんが急に、太ももで首を挟んだり、太ももを上下させたりをやりだした

太ももの感触が、首や顔に伝わってきて、とってもえっちな気分に…


「ちょ、ちょっと?!麗ちゃん何してるの?!」

「こうすれば美遊様の肩がほぐれないかな、と…」

肩車マッサージとか聞いたことないよ!


「い、いやまあ、親切は嬉しいんだけど、太ももがこすれまくって恥ずかしい…」

「ふぇ…あ?!」

そう言われて、とても恥ずかしいことをしていた事に気づくご令嬢

これが子供の行動に引っ張られるというやつか…


「み、美遊様…今のはなかったことに…」

「あ、ああ、うん……」

天然ドスケベむっつり令嬢…

あたしの中で、麗ちゃんの評価がどんどん更新されていく

えっちな方に

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