第14話 鼓動


消防士として勤務していたエンスによる虐殺事件、その被害者の葬儀は各々行われ、遺族達は拭えない悲しみに包まれていた。そしてその中にはダンの姿もあった。

「母さんが死んだって…未だに信じられないんだ…本当は生きているんじゃないかって…あれは全部夢なんじゃないかって…嫌な夢であって現実なわけないんじゃないかって…」

ダンは母の墓の前に葬服姿で立ちながらそう呟いた。

しばらくするとそこにコペルが近づいてきた。

「やっほー!ダン君!迎えに来たよ!!今日から私の家で一緒に暮らしましょ!!」

「コ…コペルさん!?きゅ、急に何を言って…」

「伝えんの遅くなってごめんねー!なかなか上の許可が降りなくてさぁ〜…けれどもう大丈夫だよ!!」

困惑するダンだったが身寄りが無い彼にとってコペルの誘いは心の救いだった。

それに美人でスタイルが良い女性に暮らそうと言われて、いいえと答えられる男性などいない。ダンもそのうちの1人であった。こんな胸の大きい美女と暮らせるなんて一体どうなってしまうのだろうか?想像するだけでダンの鼓動は止まらなくなっていた。

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