第13話 エンス特別対策本部


「一昨日の事件を筆頭に世界各地でエンスによる無差別テロが起きている。

エンスによる殺人は今までも何度かあったが、そんなのとは比でもない。」

「より一層我々の出番が増えるというわけだ。税金の無駄だと非難し、消したがっていた他部署の連中も今となっては我々を頼らずにはいられない。」

エンス特別対策本部上層部の会議は本日も行われていた。一昨日のエンスの消防士による市民の虐殺事件を筆頭に、世界各地で行われつつあるエンスの手による無差別テロ、これらの事件の詳細と対策について約2時間ほど話し合った。

「対策っつっても結局は俺達下っ端がこき使われるだけだけどな。上層部の連中は安全なとこから指を咥えて見てるだけ。俺達がどれだけ危険な目に遭ってんのか、間近で見せてやりたいよ。」

全治3ヶ月の怪我で入院中のシノハラはコペルに不満を口にした。

「まあまあ。シノハラさんの言いたいこともわかりますけど、現に私達がこうして食べていけてるのも上層部のおかげですし、そういった意味では対等ですよ〜。」

「相変わらずお前のポジティブさには参るよ。こっちがおかしいみてえだ。」

「そんなことないですよ。」

「ところであのガキはどうするんだ?あの事件の影響で身寄りがねえんだろ?」

「彼は私が預かります。その方がいいでしょう。」

「おお、そうか…」


第1部 エンスの消防士編 完


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