-無の図書館、有のハコニワ-
「おっかしいわね...どこを探しても、図書館がない...。」
それでも諦めずに探す。
「ないぞ...?ここ本当に何かあるのか...?」
それでもまだ続けて探す。そしてついに...
「結局なんもなかった...ゼェゼェ...。」
「ぐぇぇぇぇ...もう無理...。ハァハァ...。」
力尽きてしまった。やはりここには何もないのか。と思ったら良神実が声をかけてきた。
「そうだ、何か思い出してみてよ。なんでもいいよ。どんなに小さくてもね!」
どんなに小さくてもいい...。なら...!
「私はゲームが好きなそこら辺を旅している旅人!!」
自分の記憶が、ある程度蘇った気がした。
その瞬間、ゴゴゴゴッと音を立てて地面が揺れた。
「うわっ!?うわああああっ!?」
「ここにいたら死んじゃうかもよ!早く来なさい!!」
「あ、ああ!!」
私は言われるがままに良神実の方へと駆け抜けた。すると、大きい時計と鐘を吊るした、まるで教会のような建物が建った。
「コレだ!!」
「これが...図書館...。」
どうやらこれが図書館で、私の記憶の保管庫でもあるらしい。
「さ、中に入ってみましょう!」
「りょ、了解!」
私は三合良神実につられて図書館に入った。
図書館の中は、とっても静かで、本棚には本が少しだけ入っていた。
「もしかして、記憶が飛んでる?」
そう聞かれると、何故かギクッとくる。バレたときと同じ感覚だ。
私は、ここに来るまでの出来事を覚えている範囲ですべて話した...。
「なるほどね...。だから最初から図書館がなかったのか。」
「ようやくわかったわ。」
三合良神実はそう言うと考え込んだ。
しかし、途中から外が騒がしくなってきた。
「なんだか、外が騒がしくなってきたわね...。」
「放っておくとどうなるの?」
「最悪、図書館が壊れて消える。」
「じゃあ、早めに対処しなきゃじゃん。」
考える暇もなかった良神実にはなぜか申し訳なく思うが...
今はこの騒がしい物を片付けなければ...。
「早速戦いに行くんだけど、大丈夫そう?」
「えっ、まって私の武器は?」
「えっ、君確か剣を持ってたはず...。」
嘘だろ?って思ったが、何故か剣がベルトに刺さっていた。
「ほ、ホントだ...。」
「でもなんでだろ...。」
実際、それだけのことで悩むのは私は初めてだったので、深く悩みこんだ。
だが、そうしている暇もないようだ。外がよりうるさくなってきた。
「さあ、行くよ!!君は私の結界が割れないようにサポートをお願い!!」
「了解!」
そう言うと二人で外に出て、持ち武器を取り出した。
「準備OK?」
「ああ、行くぞっ!」
(私は戦闘経験がないから、戦えるか不安だが...。)
...って思ったが...。
「喰らいなっ!!」
速い、速すぎる...。たった10秒で半分以上掃討している。
「私も行くぜっ!さっ!!」
自分も敵めがけて剣を振り回す。彼女よりかは掃討スピードは遅いが、それでも諦めず、何体ものノイズを倒していく。すると一体のノイズが殴りかかってきた。
「くっ!?」
「...あれ?あまり痛くない...。」
攻撃を食らったが、あまり身体にダメージは効いてないようだ...。
まさか私にも結界が...?
「せいっ!!」
そんな事も考えながら、一体、また一体とどんどん倒していく。
そんなふうに剣を振り回していたら、あっという間に完封できた。
「勝ったようね。」
「ぜぇ...ぜぇ...何だこれ...。」
戦いに慣れていなかったから、とっても疲れた。
「あら、戦いに離れていなかったのかしら?」
「ああ...うん。」
「まあこれから慣れていけばいいからね!」
これから、この世界で何が起こるのか。戦闘だけはさけたいが。
「で、君はなんて言うの?」
そうだった、自己紹介が遅れたままだった、と今気づいた。
「私は村上紫音。よろしくね。」
「私は三合良神実。こちらこそよろしくね。」
こうして、記憶の世界での旅が始まった。
ただ、現実世界でも記憶を増やしていかないといけない。定期的に現実世界でも活動したほうが良さそうだ。
私の伝説は、まだ始まったばかりなのだから―――。
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