4歳になったよ。

4歳になった。僕は数日に1度、姉さん達が魔法の訓練をするのに合わせて一緒に魔法の訓練を行った。さらに、3歳からはバーナード父さんに連れられ騎士団の訓練の見学するようになった。残念ながらまだ体が全くできていないということで剣術や槍術、格闘術を実際に体験することはできなかったが、なんで、どうしてと質問をすれば答えてくれた。おかげで、対処方法についての知識だけは入団1月目の新兵にも負けないぐらい持っている。さすがに経験を積むことで得られる勘みたいなものはないので半年ほど訓練を受けた新兵には負けるけど…。

さて、そんな僕はオリビア母さんが今日は特別な魔法訓練をしてくれるということでいつもの家の庭の訓練場ではなく騎士団の宿舎前に来ている。


「さて、今日は試験を行います。」

オリビア母さんが僕たちの顔を見ながらゆっくりとした口調で言った。

そんなオリビア母さんの顔を真剣な眼差しで見つめ返すと笑顔で

「試験内容はゴブリンの討伐です。」

と言い切った。

「領主の仕事の一つに街道の安全確保というものがあるのだけれど、現在、領主であるバーナードは用事があって王都に出かけていて少なくともあと1、2週間は帰ってこれないの。ところがここ最近街道沿いでのゴブリンの目撃情報が増えていて1週間も待つことはできないと判断したわ。そこで、領主代理として私とあなたたち3人あとは騎士団でゴブリンの大規模な討伐を行うことになったの。とは言ってもあなたたちを大量のゴブリンに囲まれるような可能性のある状況下で戦わせるわけにはいかないから街道とその周囲にいるゴブリンの討伐を行うわよ。

それじゃあ出発!」

オリビア母さんは簡単な説明をすると僕たちが何か言う前に出発と言って歩き出してしまった。

ところで、ゴブリンってどんな見た目をしているのだろうか?姉さん達は座学で魔物についても学んでいるから知っているみたいだけれど僕はまだまなんでいないんだよなぁ。基本的にエラが読み聞かせてくれる絵本も子供向けの童話がメインだし…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る