魔法実験

町長さんの家に出掛けてから数日が経った。町長さんの家に行った翌日から自由に外には出ることが許可された。なので、数日外を散歩して家の周囲の探索を終えた。とはいえ、領都ル-ラ村は意外と遠くて今のところ歩いて着いてはいない。エラに聞いてみるとエラなら歩いて40分ぐらいで着くらしい。

さて、今日は家からそこまで離れていないけど家からこちらの様子を見ることはできない場所に来た。理由は魔法の実験をするためだ。魔法は全員が使えるが、基本的に土、水、火、風、無の5属性の中から少なくとも1属性、多くて3属性が使えるというのが一般的な感覚で4属性使える人は世界中を探せば数人居るだろうとされていて、5属性使える人は人類史の中に数名居るとされているレベルである。また、回復魔法に関してはごく稀に使える人がいるらしい。現在、王国では1人だけ確認されており王城に住んでいるらしい。ちなみに光属性や聖属性、闇属性、空間魔法はレア属性と言われて物語の世界のものとされていているが実際には過去に使えた人物がいたとされる記録があるらしい。そんな訳でゴブリン討伐では土、火、水、風、無の5属性と身体強化のみを使って戦った。おかげでレア属性を試すことができていない。なので今日はレア属性を試してみようと思う。とその前にこの間の実戦で分かったことをまとめておこう。

▪魔法が発動する範囲は基本的に自分を中心に腕を伸ばした範囲内である。

▪魔力を放出すると放出した魔力がある範囲内で魔法を発動させることができる。ただし、生物に近い範囲内に魔法を発動させることはできない。

▪放出した魔力は空気中よりも地中の方が散りにくい。ただし、同じ体積魔力放出するならば空気中に放出する方が地中に放出するよりも楽である。

▪靴を通して魔力を流すのは直接、手で触れて流すよりも効率が悪い。

▪1度発動させた魔法は距離が離れれば離れるほど操作することが難しくなり、死角に入ると2m~3m、見える範囲でも5mが限界のようだ。もしかすると訓練次第でなんとかなりそうだ。

▪変換効率はそこまでよくないが発動させた後にストーンアロ-からストーンバレットに変換することは可能だった。他の属性でもできたので同属性間なら可能なようだ。他属性の魔法に変換するのはとんでもなく効率が悪いのでそんなことをするぐらいなら最初からその属性の魔法を使おうと思った。念のため訓練だけはしている。

▪手や足に火や氷を纏って戦ってみたが纏うためには、まず身体強化をして手や足に無属性魔法のシ-ルドを纏いその回りに火を纏うなら冷気を、氷を纏うなら熱気を纏ってその外に火や氷を纏う必要がある。火や氷を纏った状態で相手を攻撃すると普通に殴ったり蹴ったりするよりもダメージを与えることができる。

▪手足に纏う要領で短剣にも纏わせることはできた。

▪武器を核とすれば武器の間合いを伸ばすこともできた。

▪氷で剣を作って使ってみたが強度は作る時に込めた魔力量に左右されるようだ。もしかすると武器の作り方を理解すれば強度があげられるのかもしれない。前回はどこに1番負担が掛かるのか分からなかったので固さを一律にしたがもしかしたらここは柔らかくてここは固い方が良いとかがあるのかもしれない。

さてとまずは光属性から試してみよう。

光属性の魔法ってなんだろうか?ライトは無属性魔法だと魔法の本に書いてあったしなぁ。ビームとかはそうかな?

「ビーム」

近くにあった岩に向けてビームを照射してみた。

「うん。火魔法でも同じことができる気がする。」

近くにあった岩にビームと同じサイズの穴があいた。試しに火魔法で熱線を作ってビームであいた穴の横に向けて撃ってみた。結果、熱線の方は岩が溶けた。

「おお、違うみたい。」

火事になりそうなので水魔法で消化して次にいくことにした。

さてと次は空間魔法だな。

まずは空間を捻じ曲げてみよう。

「えい!」

先ほど溶けてしまった岩に向けて使ってみた。

「おお!」

岩は外と中から同時に力を加えられたような不思議な形に潰れた。

その後も空間魔法を試してみた結果。空間を切るイメージで魔法を行使すればその範囲がきれいに切れ、自分と周囲の空間を離すイメージで自分の周りにドーム状になるように行使すれば外から飛んできたもの(鳥の糞)を防ぐことができた。どうやら攻撃と防御のどちらにも使い勝手が良いもののようだ。他にも、空間魔法で作った異空間にものを収納したり取り出したりもできた。ただし、時間経過がどうなっているのかは今のところ分からない。とりあえず、土魔法で作ったコップにアツアツのお湯を入れて収納しておいた。瞬間移動はすることも他の物をさせることも可能なようだった。ただし、物ではなく生物では試していないので生物が可能かは分からない。収納するには自分が触れておく必要があるが、出すのは異空間に手を突っ込んで取り出す必要はなくて出したい場所と出したいものをイメージして出したい場所に自分の魔力を放出して留めておけばどこにでも出すことは可能なようだ。

「さてと、帰るとしよう。」

実験を終える頃には日は沈み始めていた。急いで帰らないと晩御飯に間に合わなくなっちゃう。

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