目が覚めるとすぐ横にオリビア母さんの寝顔があった。

「オリビア母しゃん オリビア母しゃん!」

オリビア母さんが寝ているオリビア母さんのことをペチペチと叩いているとサラが入ってきた。

「おはようございます、ベクトール様。」

「サラ どうちて?」

オリビア母さんを両手でペチペチと叩きながら聞いた。

「それはなぜ、奥様がベクトール様の横で寝ているかということですよね。」

「うん。」

「それはですね。ベクトール様が魔法訓練の後おやすみになられてから、何度も起こしたのですが、お目覚めにならなかったからです。」

「うん?」

おかしい、まったく起こされた記憶がない。

「それで心配になられた奥様が定期的に母乳を飲ませながら、ベクトール様に付きっきりで看病しようとベクトール様に1晩ついていた結果です。」

なるほど、確か魔法訓練は朝ごはん食べてすぐに始めたから半日以上もの間起きてこなかったことになるのかな。それで起きてこないことを心配したオリビア母さんがつきっきりで面倒を見てくれていたということか…。

「わかっちゃ。お腹すいた!ごはんは?」

「少々、お待ちくださいね。今確認してきますので。」

サラは苦笑交じりそういうと、部屋を出て行った。

「う、うん?ベク、起きたの?」

サラが部屋を出て行ってすぐにオリビア母さんが起きた。

「うん、ごはん」

「無事でよかったわ。ごはんは少し待ってね。まだ、ごはんの時間じゃないからもう少ししないとベクのごはんは準備されないと思うわ。こちらにいらっしゃい。」

オリビア母さんは自分の掛け布団を少し持ち上げると、自分の横を叩きながら声をかけてきた。

「や。おきる。」

お腹がすいていてもう寝る気はないので全身全霊で拒否をしていると、オリビア母さんの手が僕の方に伸びてきてあっという間にオリビア母さんの横に転がされた。

「はい、ねんねしましょうね。」

と言いながらオリビア母さんは僕の背中をトントンと叩きだした。すると再び瞼が閉じていき…。

再び夢の世界へと帰っていったのだった。

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