魔法訓練2
ルーナ姉さんとルーシー姉さん、サラのいるところから少し離れたところに移動した。
「ベク、それじゃあ、」
オリビア母さんは僕の後ろにしゃがみ込んだ。
「ベクそこの的に向かって右手をかざして、右手のに魔力を集めて集まったと思ったら、何でもいいから的に当てるイメージで魔法を唱えてみて。」
「うん。」
的に当たるイメージで何か唱えたらいいんだよね。何を唱えようかな?
「あちゃれ!」
ドン!
とても大きな音と体が浮くほどの揺れが発生した。
あれ?当たれと言いたかったのに言えなかった。でもいいみたいだね。的とその周辺は吹き飛んだし。あと何だか体がだるい。これは光のチョウチョが大量に出てきた時の症状に近い。おそらく、魔力切れを起こしたのだろう。
「ベク。大丈夫?怪我していない?」
「うん。」
とても心配そうな顔をしたオリビア母さんが走って、僕のことを抱き上げた。
「それにしても、ベクは魔力を何にも変換させずにそのまま的にぶつけたのね。普通はそんなことをしてもここからだと的に当たる前に霧散してしまって的を何も起こらないんだけどね。まあいいわ。怪我がなくて本当に良かった。」
「オリビア!何事だ!」
帯剣したバーナード父さんがとても怖い顔をしながら走ってきた。普段剣を持っていないのに持ってくるなんてどうやらよくないことが起こったようだ。
「大丈夫よ。ベクが的に向かって魔法を使っただけよ。まあ、魔法というよりも魔力をそのままぶつけただけという方が正しいんだけどね。」
「そうか。賊が侵入してきたか、魔物が襲撃してきたのかと思って焦ってきたが何もなくって本当に良かった!」
バーナード父さんはとても安心したようでそのままその場に座り込んだ。どうやらとても緊張していたらしい。
「あの、奥様!ベクトール様がお疲れのご様子ですが、お部屋にお連れしてもよろしいでしょうか?」
サラがオリビア母さんに抱っこされ眠りかけの僕を見て声をかけてきた。
「そうね。おそらく魔力切れを起こしただけで、怪我はしていないと思うんだけれど、もし怪我をしていたらいけないから着替えの時に注意して見ておいてくれる?あと、ベクが寝ついても私が行くまでベクの部屋の中で待機しておいて。私はルーナとルーシーを見てから行くから。」
「はい。分かりました。」
サラはそういうと僕をオリビア母さんから受け取って屋敷へ入っていった。
僕はサラの腕の中ですやすやと寝息をたてて寝るのであった。
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