姉たちとの共同作業
父親と外に出て遊ぼうとしたが結局あまり遊べなかった翌日僕の部屋には姉たちが訪ねてきた。
「ベク、昨日は災難だったね。」
「うん。」
言葉は舌が回らないからまだまだしゃべられないけど前世の記憶があることの影響か、それとも赤ちゃんは言葉をしゃべられないだけで多くの単語を理解しているのかは分からないが会話で出てくる単語ならほとんど意味が分かる。
「ベク、お父さんを責めないであげてね。お父さん、ベクと外で遊ぶのを楽しみにしていたんだけどいつもベクがお外で遊んでいる時間は領内の見回りや書類仕事をする時間で遊べていなかったからはしゃぎすぎちゃったみたい。」
「今日は私たちがお部屋の中で一緒に遊んであげるね。」
「あい!」
「何して遊ぼうか?」
僕の部屋には遊べるものがほとんどない。あるのはぬいぐるみと大きめのサイズの積み木、絵本が2冊それと父親がどこからともなく持ってきたこぶし大サイズの布のボールぐらいである。
「ベクの部屋って何もないね。ねぇ、ル-ナ私たちの部屋から何か持ってこようか!」
「そうだね。ル-シイ!」
「あの、ル-シイ様、ル-ナ様まだベクト-ル様は何でもお口にお入れになってしまうので小さいものでは遊ぶことができません。なので、今日は積み木でベクト-ル様と遊ぶことにしませんか?」
エラがお姉ちゃん達に積み木遊びを提案してくれた。実際のところ、僕は手先を器用に使えるようになるための練習として積み木を高く積むことにはまっている。
「あい!」
「ベクも積み木遊びでいいみたいだし、積み木で遊ぼうか!」
「そうだね。ル-シイ!」
というわけで積み木で遊ぶことになった。
「ところでル-ナどうやって遊ぶ?」
「どうやって遊ぼうか?」
どうやらお姉ちゃんたちは積み木で普段遊ばないようで、遊び方を悩んでいるようだ。
仕方がないので手元にあった積み木をできるだけ高くなるように積み始めた。
「ベク、何を作るの?」
「…。」
すでに僕が座って確実に積める高さの限界まで積み木を積んでいてここからは立って積まないといけない分座った状態で積むよりも集中して積まないといけない。なぜなら気を抜くと自分が転んでしまうのである。なので、返事をすることもできない。
「ル-シイ様、ベクト-ル様は最近積み木を高く積むことを頑張っておられます。現在の高さから先1つ積むごとにとても集中されるのでお声を掛けてもあまり反応されなくなります。」
「「なるほど!!」」
じばらくして、次の積み木を積めば僕の目線の高さになろうとしたところで、僕がバランスを崩してしまい…バランスをとろうと両手で持っていた積み木を離して両手を横に広げたことにより手から離れた積み木が積んでいた積み木に当たってしまい
ガラガラ………
積み木は崩れてしまった。
「…。」
「ベク、お姉ちゃんたちが積むの手伝ってあげるからそんなに落ち込まないで!」
「そうよ。手伝ってあげるから一緒に高く積もうね。」
崩れた積み木を見てボ-としているとお姉ちゃんたちが励ましてくれた。
その後、お姉ちゃんたちが手を貸してくれたことにより今までで一番高く積むことができた。
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