第73話 彼氏の特権
「お腹いっぱいだと眠くなるし動きたくなくなるよねぇ~」
「双葉さん、カニ凄い量食べてましたもんね」
「まさかカニ食べ放題とは思わなくてさぁ。自分もびっくりする量食べちゃったよ~」
「軽く十杯は食べたかな?」
「どうしてそんなに食べても痩せてるんですか……」
ジーっと体を凝視する柚葉。
それは俺にも分からない。
布越しでも分かる細いくびれ、そして痩せているのにも関わらず主張の激しい胸。
アイドル時代に付いた健康的な足の筋肉。ゴツゴツはしていなく、体全体が絹のように白くつやがある。
俺も、最初双葉のありのままの姿を見た時、あまりの綺麗さにフリーズしていたからな。
柚葉の気持ちも分からなくない。
「可児さんいいなぁ~。こんなに綺麗な双葉さんの全裸をタダで毎日のように見れるなんて」
双葉のハリのある肌を人差し指でつつきながら言う柚葉。
「それが彼氏の特権ってやつだ」
「一番仲のいいはずの私に同じような特権はないんですか~?」
「ない、何故なら俺のものだから」
胸を張ってドヤ顔をする。
彼女の体は彼氏しか見てはいけないものだ。双葉のエロい体を堂々と視姦できるのは彼氏の特権。
この権利は誰にも渡してたまるものか。
「私も双葉さんの裸をこの際堪能したいのに~……エロい意味じゃなくて女として理想の体だから……」
「残念だな。双葉の体を堪能できるのは俺だけだ」
「私も双葉さんの彼氏になれば……」
「同性じゃ無理だな。満足させられんだろ」
「手術して私もアレを付けようかな……」
「後から後悔するから絶対にやめろよ」
流石に凹みすぎだろ。そんなに綺麗な女子の体を見たいならAVでも見れば解決だと思うが、そうゆうことではない。
柚葉が見たいのは、双葉の裸だけだからな。
今日は俺も堪能できないのは悲しい話だ……
分かりやすくしゅんとする柚葉に、
「別に柚葉ちゃんなら初回料金も追加料金なしで私の体は自由に見たり触ったりしていいんだよ~?」
呑気な声で双葉は言う。
「え⁉ いいんですか⁉」
「えぇ……」
その言葉に、子犬のように喜ぶ柚葉と、目を細くしてガッカリする俺。
双葉もダメと言うのを期待していたのだが……友達ならいいのかよ。
まぁ、触られたところで傷は付かないしノーダメージだ。
そこまでじっくりは堪能しないだろうからな。ゆっくりと優しく触るだけだろう。
もしベタベタと、激しく双葉の体に触れるのなら、俺は全力で止める。
たとえ自分の体が見られたとしても。
俺の息子を見られるくらいで、双葉の体を守れるなら安いものだ。
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