第52話 デジタルタトゥー
Twitterのリアルタイムの反応も好調だ。
『ふたばチャンネル期待してなかったけど、案外面白くね?』
『やっぱだ天使ちゃんは神なんだよな』
『いい感じに毒舌キャラが成り立ってておもろい』
など、アンチが少しずつ埋もれていっている。
しかし、今日これから行う企画はその埋もれているアンチを討伐する企画だ。そして、これはファンを選別するためでもある。
いいファンだけを残したいという俺と双葉の願望だ。
「とりあえず! 今日の企画はこちら! リアルタイムでエゴサをしてアンチを探り出してみよ~! そして晒してあげよ~の会!」
ラッパの効果音と共に、配信画面にTwitterの検索画面が表示される。
トレンドトップ10には、すべて双葉に関するキーワード。一つ一つが10万ツイートされている。
「さぁ~って、ここから裁判の時でも使った方法でアンチコメしてる人を探したいと思いま~す! そしてそして! あまりにも酷い人がいたらそのままこの前捕まった人の二の舞にしまぁ~す」
「あ、今消そうとしても無駄だよ? ネットに一度でも上げたものは一生消えないと思った方がいいよ~。デジタルタトゥーだからね」
フッと、鼻で笑いながら、カメラに向かって細い目をする。
「前にも言ったけどさぁ~、アンチとかするには責任が必要なんだよ? 人に死ねって言っていいのは自分が死ぬ覚悟がある人だけなことを頭の隅に入れておいた方がこれからの人生を有意義に過ごせるからね」
「私は私に害があると思う人は徹底的に排除するから。もう分かってるだろうけど、再度忠告しておく。あ、ちゃんと推してくれるファンのことはだぁ~い好きだから心配しないで~! 愛してる!」
これでもう双葉に危害を与える人は劇的に減るだろう。
コメント欄もTwitterも、次々と批判やアンチコメントが削除されていき、『アンチ乙』や『叩くのが悪い』『嫌なら見るな』『リアルで言えないんだから、ネットでも心の中で留めておけ』などド正論まで言われていた。
ネットとリアルは変わらない。いくら匿名だって、特定など容易く、同じように匿名だからとイキって面白がっている奴らに拡散され袋叩きにされる。
逆にネットの方が怖いまである。
双葉の配信を見ている人だけではなく、ただTwitterなどを見ている人にも伝わって欲しいものだ。
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