第49話 堕ちたわ
「とりあえず、今日は完全オフな日と楽しもうね~可児くん」
「楽しむか~」
「とは言ってもする事は一つしかないんだけどね~」
俺の下半身をじっと見る双葉。
「結局こうなるんだよな~」
「だって家でする事ってそれくらいしかなくない? 正直一番楽しいし気持ちいい」
「いや分かるけども」
カップルが家ですることなんてエッチ以外ない。たとえそれ目的でなくたって最終的にそうゆう雰囲気になる。
お家デートなんてものは大体エッチが最終到達地点だ。
「でもさぁ、いつもと同じ感じでするといつかマンネリ化しそうで怖いんだよね」
いきなり真面目な顔になる。
「ん、まぁちょっと変化が欲しくなる時期ではあるよな」
このままセックスレスになるのも嫌だし、新しい刺激は欲しいかもしれない。
まぁ、俺は飽きることは絶対にないとは思うが。
「新しいプレイの開拓とかするん?」
「それがいいかな~。色々気になってるのあるし」
「例えば?」
「最初に言っておくけど、これは個人的な趣味というか? まぁ興味本位なだけで別に深い意味はないからね」
「お、おう」
起き上がると、慌てながら保険を掛けておく双葉。
そんなにヤバいプレイをご所望なのか? 俺、流石にアブノーマル過ぎたら困るんだけど。
「目隠しとか? 首絞め……とか縛りとか? あとは、お尻とか……」
「それは~、される側? それともする側?」
「される側……」
「ドMだな、お前」
薄々気づいていた。双葉がMだという事に。
何かと、キスマを付られたがったり、ちょっと激しめに頭を抑えたりしてと言われるから、感じてはいたけど、まさかここまでだとは。
「どっ! ドMではないし!」
指摘された双葉は、赤面しながら否定する。
「ちょっとM気質があるだけだし! ドMの変態じゃないから!」
「それなら~」
「ひやっ」
と、俺は双葉を持ち上げてベッドへと運び、押し倒す。
「これで興奮してるなら、ドMのド変態なんだけど?」
「してますすみません」
赤く火照った顔を布団で隠しながら言う双葉。
「んじゃぁ、して欲しいこと言ってくれたら始めようかな」
髪を優しく撫でながら耳元で囁く。
この支配している感じ。たまらない。
俺も何かそっち系の癖に目覚めそうで怖い。ちゃんと自制しなければ、絶対に堕ちてはいけない。
双葉は、顔を隠しながらもこちらを欲しがるような目で見ながら、
「いじめてください」
「あ、ごめん。俺堕ちたわ」
そこから、2人の夜は長かった。
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