第47話 0.01のプレゼント
「ま、どっちも契約とかは後日に回すとして、今日の話はおしまいだよ」
パンと一回手を叩くと、
「やっと帰れるねぇ~」
双葉はグーンと伸びをしながら席を立ちあがる。
「なんか、色々疲れたな」
色々覚悟はしていたが、いい結果になったな。
こちらの都合よく動いてくれそうな事務所という強い味方が手に入ったし、俺も雇用されてしまった。
順調に事は進んでいる。今のうちに突き進めるまで進もう。
「あ、あと一つ」
「お疲れ様でしたぁ~」と部屋から出ようとした俺たちは後ろから声を掛けられる。
「なんですかぁ? もう話は終わったはずなんですけどぉ~?」
「この事はまだ極秘だから一応伝えておこうと思って」
「んなの分かってるってぇ~」
まだ関係者以外誰も知らない情報。うっかり外に漏らしてしまったら大惨事だ。
それに双葉ならありえなくない。むしろ発信すらしそうだからな。
まぁ、味方を裏切るような行為はしないと思うが……ほら、この人なんでも思い立ったら行動する人だから何があるか分からない。
「分かってるならいい」
「大丈夫ですよ。僕が隣で監視しておくので」
「それなら安心だね。可児くんは信用できそうだから」
「なに、その私が要注意人物みたいな言い方は」
プクリとリスのように頬を膨らませ、不満そうな目を俺に向けてくる。
「お前は誰かが見てなきゃ何をしでかすか分からないからな。だから俺が見ててあげるって言ってるの」
「私を見ててくれてるのは嬉しいけど……なんか複雑な気持ち」
「いいだろ? ちゃんと傍にいてあげるって確証があるんだから」
「……うん」
双葉の頭を撫でながら言うと、喉を鳴らしながら俺の手に頭を預ける。
構ってちゃんなのか分からないが、やっぱこうゆう双葉は可愛い。
「ねぇ、ドアの前でイチャつくの、やめてもらっていいかな?」
俺達の様子を静かに見ていた社長は、苦笑いをしながら言う。
「あ、すみませんすぐ帰ります」
「んじゃ、またね~」
「ちょいまち、それともう一つ」
ドアを閉めようとすると、また社長は声を掛けてくる。
「次はなに~?」
呆れながらも足を止める双葉に、社長は不快な笑みを浮かべながら、何やら箱を投げ渡してくる。
「おっとっと―――」
「避妊はしろよ?」
「っっ!」
渡されたものを見ると、正体はゴムの箱。しかもちゃんと0,01のいいやつ。
「これだけあれば1週間は持つでしょ? あ、お盛んだから1日で空になっちゃうか」
ケタケタと笑いながら言う社長に、
「黙れっ!」
と、羞恥に顔を染めながら、双葉はドアを勢いよく閉めた。
*告知というか読者の皆様に相談。
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「箱入り娘の転校生は俺に初めてを奪って欲しい」
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