第45話 俺にも相談?
「ちなみに、問題は色々あるからね?」
問題というのは、双葉が復活することに関するものだろうな。
「絶対にうちに所属している人たちからは恨みを買われるだろうね。あとは、『元』メンバーとかファンとか。双葉くんには敵が多いからね~」
過半数がアンチといっても過言ではないくらいに、双葉にはヘイトが向けられている。
現時点で応援してくれると確定しているのは、柚葉とそのお仲間。
あとは、ちゃんと推してくれてる人達。
Youtuberということで、そこから新規で入って来る人もいるだろうが、どうなるかは分からない。
「んなの私が知ったこっちゃないよ。無名の奴らが騒いだところで誰の目にも止まらないし、『元』メンバーだって、私がいるフォーリン♡エンジェルで目立ってただけだから、個人でアイドルやってもせいぜい地下の枕営業アイドルでしかないでしょ」
余裕そうな表情のまま、淡々と口から毒を吐く。
「お前、また炎上するぞ」
「どうせするでしょ。Youtubeなんて始めたら」
「そうだけどさ、最小限には抑えたくね?」
「なるかな~? 多分、会見の時よりはいかないけど、その辺の炎上よりはるかに燃えそうなんだよね~」
「なんとなく想像が付くのが嫌だな」
当然のように、炎上するだろう。
事務所に所属するとなると、さらに燃えそう。それも、元所属していた場所の社長が新たに立ち上げる事務所。
双葉も社長もダブル炎上しそうだ。
「その自信、本当にうらやましいね。毒舌はもう少し抑えた方がいいと思うけど」
どこか羨ましそうな目で双葉を見る。
「あんたも相当な毒舌だけどね、私には負けるけど。ゆーて頭おかしいのはそっちの方が頭一つ抜いてるよ」
「フフっ……よく分かってるじゃん」
「だからこそ、私はあんたについていこうと思ってるのよ」
「おっと、付いて来てくれるのかい?」
ため息交じりも、嬉しそうな双葉の声色に、社長も口角が上がる。
「入るのか、また事務所に」
流れて的に入りそうだとは思ってが、俺としては意外だ。
自分で成功させる気満々だったから、てっきり最後まで自分でやり切るものだと思っていた。
「この人だけの事務所なら、私は制限もされないし、いいかなーって。最低限の保証もあるし、信頼できる」
「俺もその方がいいとは思うな。個人では限界があるし」
「あ! そうそう双葉くんがうちに入るなら可児くんにも相談があるんだよ~!」
何かを思い出した社長はパチンと手を叩く。
「え、俺ですか?」
「うんうん」
「話の内容と……は?」
嫌な予感はしないが、何か凄い事を頼まれそうだ。
「双葉くんと一緒に、うちにはマネージャーとして所属してみるつもりはないかい?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます