第37話 計画と行動


「あとはそうだな~。ネットだからアンチ対策とかも色々練って置かなきゃな」


 配信をするにしても、動画を出すにしても、コメント欄にはほぼ確実にアンチや勘違い野郎達の書き込みで溢れる。

 それを、どう対処するかだ。


 リアルタイムで書かれたコメントを消去したりするのには、手間も時間もかかる。追いつくわけがない。


「それはまた同じように対処するってぇ~。というかみんな私にガチ恋するのに懲りたんじゃない?」


 と、双葉が小首を傾げる。


「あれだけしたら流石に居なくなるかもな」


「でもしつこい人だと、懲りずにしてきそーだよね。キモっ!」


「一定数はいると思うぞ俺も。バカだから何度でも繰り返すだろし」


「その時はもっと地獄を見せてあげるから、覚悟してて? って感じだね」


「また怖いことを」


 双葉ならもっとえげつない事をやりかねない。てか絶対にする。


「コメントとかの対策は大まかAIにNGな文字をを学習させ自動的に消去と写真を撮るようにさせて、あとは自分たちでなんとかするしかないよね~。見落としもあるだろうし」


「だな~。そこは頑張るしかない」


 アンチ対策はこれでバッチリだな。

 特に心配もいらないだろう。過激な事をしてきたやつには前の奴ら同様に豚箱が待っている。

 それよりも肝心なのが、


「最初、どんなのを投稿するかだよな」


「めちゃ大事! でも思いついてるんだよね~」


 何を始めるにも、掴みが大事。

 ここでミスったらすべてが台無しになる。


 現時点で復帰など、知名度があるが評判などは絶望的状況なのに、滑ったら本当に終わる。

 ここで挽回しなければ。


「まずは、Twitterとかインスタで何時に動画公開とかを告知して、ネット民に拡散をしてもらう。これで視聴回数とか事前に盛り上がって話題になることは間違いなし!」


「行動早っ!」


 自慢げに見せてくるスマホの画面には、既にTwitterやインスタで『ふたば』のアカウントが作られていた。


「このままYoutubeチャンネルも作って、あとは動画を撮って告知だね~」


「そうそう、動画の内容だよ。一番大事」


「最初はYoutuberとしての復活報告と、この前裁判起こした人がどうなったかを話す、トークメインの動画にする感じかな」


 パクっと焼き鳥を食べ、下で唇に付いたタレをペロッとお茶目に舐める。


「そうえばどうなったんだ? 全く気にもしてなかったわ」


 そういえば、あの後から詳しく聞いていなかった。


「ほぼ全員が名誉棄損とか誹謗中傷とかで100万近く払ったよ~。ちなみに書き込みが酷い人だと500万近く命じられた人もいたよ~」


「うわ、すげーな」


 そんなに始末されてるとは思わなかった。

 誹謗中傷なんて軽い気持ちでやる事ではない。たった一言は発言するだけで何百万ものお金を失い、犯罪者の仲間入りをするんだからな。


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