第2話「狐狸畜生」

東雲「ここが、座敷牢です」


手取「なるほど、ここが」


東雲「……」


手取「この辺りだけ埃が積もっている。足跡すらない」

「それに、ほら。あちこちに蜘蛛の巣もある」

「他の場所は綺麗に掃除されているのに、おかしいね?」


東雲「貴方、わかっていて言っているんでしょう」


手取「はは、バレたか。……皆、よっぽど此処に近づきたくないのだね」


----



「東雲家当主を誑かした女狐だと常々思っておったが……」


「……」


「真に狐狗狸の類だとは思わなんだ」


「私は人間です。何をもって、私を虐げるのですか」


「双子を産んだ、それだけで十分であろう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る