第10話
冒険者ギルドを出た俺たちは、街の公園で一休みしていた。
「んーー……それじゃ、これから何しようか?」
背伸びをして、俺はマナちゃんに問いかける。
「うーん、そうですね~、あ、そう言えば今日市場の方で、商業ギルド主催のバザーをやってるらしいのです。たまに掘り出し物とかがあるときがあるので……その、一緒に見に行ってみないかです?」
「へぇ……バザーか」
そう言って俺はは少し考えて……
「よし! 行こう‼」
「はいなのです!」
断る理由はないからな!
そんなこんなで俺たち二人は、バザーへと向かったのだった。
……
…………
「ここがバザー会場か」
マナちゃんに連れられて歩いていくと、そこにはたくさんの店が出展されていた。
食品や服から家畜まで、売られてない物はないんじゃないか? という具合の賑わいだ。
「このバザーは、沢山の商品があるので、街の人たちはみんな楽しみにしてるイベントなのですよ。区画ごとに売られてる商品が分かれてて……パラドちゃんはどっか行きたい場所あるのです?」
「行きたい場所? マナちゃんが生きたい場所に先に行きなよ」
俺がそう言うと、マナちゃんはうーんとほっぺたに手を当てながら言った。
「私はいつもこのバザーには来ているのですよ、なのでパラドさんが行きたい場所に行って欲しいのです」
「そう?」
「そうなのです、さあ! 遠慮せずに言うのですよ~」
うーんじゃあ、お言葉に甘えようかな?
「じゃあそうだなぁ……武器とか見たいかな?」
「武器なのです?」
「うん」
武器を見に行く理由は二つある。
一つは、明日冒険者としてクエストを受ける際に武器があった方がいいだろうから……二つ目はは、いたって単純ロマンだからだ。
剣とか、槍とか……やっぱ異世界に来たら一度は見て、持って、振り回さなきゃだろ?
そんなことを想像し、思わず涎を垂らす俺を、マナちゃんは不思議そうに眺めていた。
あ、やべっ……涎ふこ。
「ん~? とりあえず、分かったのです! じゃあいっしょに見に行くのですよ!」
そう言ってマナちゃんは俺の手を引いて歩いていく。
フニフニで柔らかい……これが女の子の手か。
……素晴らしい。
おっぱいもいいが、こう……なんというか、おててもまた……いいな(語彙喪失)。
「……凄い人だかりなのですよ、迷子にならないように注意するのですよ~」
「うん、分かった~」
大丈夫だ、安心しろ。
こんな気持ちいい手を俺が放すわけないからな。
……数分後
「やべ……」
そう言って俺は、周りをきょろきょろと見渡して……ため息をついた。
「はぁ……完全にはぐれたな」
マナちゃんとはぐれた俺は人込みの中で、そうぽつりと呟いたのだった。
――――――――――――
読んでいただいてありがとうございますなのですよ‼
面白かった! もっと見たい! もっとバズれ! って思ってくれたら是非、評価、コメント、レビューをして欲しいのです!
――――――――――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます