第7話

 ご飯を食べ終え、マナちゃんが食器を片付けている間俺は少しボーっと座っていた。


 あ、マナちゃんのご飯を食べた感想だけど、なんというかこれが、家庭の味かって思ったよ……。

 なんか、分かんないけど懐かしくて涙が出た。

 美味かったよ。


 そんなことを思いながら、俺は窓から外を眺めた。


「……さて、これからどうするかな~」


 いろいろと考えることがある。

 けど、今側近で思ったのが……お金、どうしようという問題だ。


 幸いにして、マナちゃんの家に泊まらせてもらうことができ、食事にもありつけたわけだが……今の俺は一文無し。


 物資も無ければ、金もない状態なわけだ。


 何時までもマナちゃんにお世話になるわけにもいかないし、早くお金を稼がないとな~……


 そう思っていると、マナちゃんが片づけを終えて俺の向かい側の椅子に座った。


「ふぅ、お片付け終わったのです~」

「お疲れ様~……ねえ、マナちゃん。どっか仕事探している所とか知らないかな?

「お仕事なのです?」

「うん、お金を稼ぎたいなーって思ってさ。今、お金ないし……」


 俺がそう言って尋ねると、マナちゃんは少し考えて話し始めた。 


「ここは大きな年なのでお仕事はいっぱいあるのですが……手っ取り早くお仕事を見つけたいなら、やっぱり冒険者ギルドが一番なのです」

「冒険者か~」


 やっぱりお金を稼ぐと言ったら冒険者として一仕事するしかないのかなー。

 魔物倒して、素材売って……とかそう言う事で来たりするのかな?


 と、そこでふと俺は転生してそうそう遭遇したオリハルコンゴーレム倒したナーと、そしてその欠片拾っておいたなーという事を思い出した。


 これ、売れたら手っ取り早くお金手に入るんじゃねえか?


「ねえ冒険者ギルドでさ、魔物の素材って買い取ってもらえたりする?」

「魔物の素材なのです? まあ、物にもよりますけど買い取ってもらえると思うのですよ? どれ売るのです?」

「これなんだけどさ」


 そう言って尋ねられた俺は、七色に輝くオリハルコンを机の上に転がした。


「これなのです? 私、鉱石については私はあまり詳しくないのですよ。因みに何の鉱石かってわかるのです?」

「うん、鑑定したからね。コレ、オリハルコンっていう金属らしいけど」

「へぇ、パラドさんって鑑定技能を持ってるのですね羨ましいので……今、オリハルコンって言ったのです?」

「そう」

「ぎゃぼおおおおお⁉」


 そう言って頷くと、マナちゃんは目が飛び出るほど驚いていた。


「やっぱオリハルコンって珍しいの?」

「珍しいも珍しいのですよ! 実物を見たのは初めてなのですよ!」


 そう言ってマナちゃんは頷く。


「オリハルコンっていう金属は、まさに希少中の希少金属なのです」


 何でもマナちゃんの話では、オリハルコンは、オリハルコンゴーレムを倒すことによってしか手に入れることができないらしい。


 伝説の武器や防具の元になったとされる神話金属オリハルコン。


 そんなオリハルコンをその身に宿したオリハルコンゴーレムという存在は、実は近年まで伝説上の魔物だとされていたそうな。


 何でも、その理由というのが……このオリハルコンゴーレムという存在は、1000万体に1以下の確率で生まれる超激レア個体だということかららしい。


「運よく出会えたとしても、オリハルコンゴーレムを倒すのは至難の業なのです。魔法を弾き、どんな攻撃も通さない。そんなオリハルコンゴーレムの討伐難易度が高く、その難易度は驚異のSランク以上!」

「しつもーん! Sランクってどれくらい強いの?」

「とにかくすげーのです、すげー強いのです」


 そんな、オリハルコンゴーレム自体の危険度もあり、であったとしても死んでしまう冒険者が多く、伝説上の魔物とされてきたという経緯があるそうだ。


 そんな超希少金属オリハルコンなのだが、その買い取り価格は欠片だけで国の予算を丸丸使い込むくらいなんだとか。


 まあ、つまり……だ


「こんな一地方都市じゃ、買い取ってもらえないと思うのですよ」

「だよね~」


 そう言って俺はがっくりと肩を落としたのだった。




――――――――――――

 読んでいただいてありがとうございますなのですよ‼

 面白かった! もっと見たい! もっとバズれ! って思ってくれたら是非、評価、コメント、レビューをして欲しいのです!

――――――――――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る