第5話

「お邪魔しまーす」

「いらっしゃいなのです」


 そう言って俺はマナちゃんの家にお邪魔していた。

 

 泊まる場所が無いと言ったらマナちゃんが家に泊めてくれることになったのだ。

 ありがたい事である。


「とりあえず、こっちの部屋使ってなのです」

「了解~」


 そう言って案内されたのは、客間だった。

 マナちゃんの家は、結構広かった。


「体を洗うときは、後ろの井戸から水を汲んで使ってなのです。それと……」


 そう言って、マナちゃんはタンスを漁って数着の服を取り出した。

 

「お洋服なのですが、私の古着で良ければ使ってくださいなのですよ」

「え? いいの?」

「はいなのです。サイズは多分会うとおもうのです。……あ、それとご飯なのですが、今から買出しに行くのでもう少し待っててほしいのです」

「いやー、本当。何から何までありがと~」

「いえいえ、もしあの時助けて貰えなかったら私悲惨な目に合ってたのですよ」


 そう言ってえへへ~と笑るマナちゃん。


「とりあえず、私、服を着替えたら買出しに行ってくるのですよ」


 そう言って、突然服を抜き出したマナちゃん。

 おっぱいが、暴れるアバるる………ブルンブルン。


「って、ちょっと。俺がいるんだけど⁉」

 

 いや、まあ。最高なんだけどね!?

 そう、俺が焦っているのを見て、マナちゃんは不思議そうに言った。


「……? 女の子同士だし、問題ないのです」


 あ、そうだ。俺、女の子だ。

 ってことは、合法的に女の子の体を見れる⁉


「……そ、そうだね。ふへっ」


 やべ、鼻から何かが……


「ハわわ、ちょっと大丈夫なのです⁉ 鼻血が垂れているのです!」

「ふへ? あ、大丈夫大丈夫……」

「はわわ、これでふさいでなのです!」


 そう言ってマナちゃんは、古い布を差し出してきた………全裸で。


「ブシャアアアアアアアア‼」

「ぎゃあああなのですっ!」



【閑話休題】


 あれから、どうにか鼻血が収まり、服も着替え終えた。

 いや~本当大変だったよ。


「とりあえず……安静にしててなのです。それじゃ、いってくるのですよ」


 そう言って扉を開けたマナちゃんは、ふと足を止め俺の事を振り返った。


「あ……そう言えばまだ名前聞いてなかったのです」

「そうだ。まだ名乗ってなかったわ」


 言われて見れば、俺はマナちゃんの名前を聞いたが、自分は名乗ってなかった。


 しかし、名前……どうしよ。

 転生前の名前をそのまま使うってのもあれだし……うーん。


 と悩む俺の頭にふと一つの単語がよぎった。


 ……よし、あれにするか。

 現在最新作のあのゲームでも出てきた名称。


「俺の名前は……パラドだ」 


 パラドックスから、パラドだ。

 

「へぇ、パラドさん。かっこいい名前なのです! それじゃ、パラドさん。改めて言ってきますなのです!」

「うん、行ってらっしゃい」

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