第2話
森の中を一人の少女が走っていた。
彼女の靴はすり減り、服は木の枝で切り裂かれ……ボロボロになってそれでも走っていた。
彼女の名前はマナ。町娘だ。
「……はぁ、はあ」
振り返ると、後ろから数人の男が迫ってくるのが見えた。
……なんで、なんで、人狩りがっ‼
この森は騎士たちが良く巡回し、子供でも遊べる程度には安全な場所になっていた。
だというのに……そう、思いながらマナは逃げていく。
「ははは! 嬢ちゃん、待ちなって」
「そんな逃げ回っても、無駄だぜ~」
そう言って、追いかけてくる人狩り。
人狩りに捕まれば、奴隷にされ……どこかに売り飛ばされることになる。
「はぁ……はぁ……キャッ」
必死に走るマナだったが、木の根っこに足が引っかかり転んでしまった。
「……う、痛い」
体を支え、立ちあがろうとしたマナだったが、足に激痛が走りしゃがみ込んでしまう。
足を負傷した、マナを見て、にやける人狩りたち。
「うっ……逃げ、無きゃ」
それでも逃げようと抵抗する彼女の元にゆっくりと人狩りの男たちが迫ってきた。
「おおっと、これでもう追いかけっこは終わりだな」
「ひっ……来ないで……」
じりじりと滲みよる男たち。
「誰か……」
マナは怯えつつ、逃げようと後ずさり……そして、ギュッと目を瞑ったマナは叫んだ。
「誰か、助けてーーー!」
最後の抵抗とばかりに、マナが叫ぶが……森の中は、シーンと静まり返るだけだった。
「ぐははは、泣き叫んでも誰も来ねえさ! 残念だったな!」
男は、そう言って笑うと、マナの服に手を掛けびりびりと破り捨てる。
「……きゃああ‼」
既にぼろきれに近いものになっていたマナの服は、完全にその役目を失い地面に布切れとして転がり、マナの素肌があらわになった。
「ヒュー、すっげぇ。すっげぇでかいぞ!」
短い茶髪に、子供のような顔立ち。
背は低く、細身の体。そんな、子供のような彼女だが、その胸のたわわなふくらみは、圧倒的存在感を放っている。
「おお、まだガキだと思ったが、ここはこんなに成長してるなんてな! こいつぁ、いい拾い物をした!」
そう言って、笑う男たち。
「隊長、こいつで遊んでもいいですかい?」
「ん? まあ、いいぞ。こんだけの上玉だ……どうせ初物でもないだろうし、遊んでいいぞ」
「やった!」
そう言ってガッツポーズした男が、近づいてくる。
「ひっ……」
助けは来ない、逃げられない……
それを悟り、マナは絶望し……目を瞑った。
――どうせなら、初めては好きな人が良かったな……
「それじゃ、楽しませてもらうぜ」
そう言って男の手が、マナに触れそうになった……その時だった。
「てりゃあ!」
「ぎゃああ⁉」
森の中から、誰かが飛び出して男を吹き飛ばした。
「な、何だ⁉」
突然のことに困惑する、人狩りの男たち。
「女の子が、怖がってるでしょうが!」
そんな男たちに向け、森の中から出てきたその人物はそう言い放つ。
「なにを……は?」
「うっそだろ……おい」
何か言い返そうとした、人狩りの男たちだったが、仁王立ちしている人物を見て困惑の声を漏らした。
あまりの事態に混乱を極める男たち。
だが、男たちが混乱するのも当然のことだった。
男をいともたやすく吹き飛ばし……仁王立ちして、男たちの目の前に立っていたのが――
「裸の……女の子?」
自分と同じで、生まれたままの姿になっている全裸の……美少女だったからだ。
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読んでいただいてありがとうございますなのですよ‼
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