応援コメント

第55話 成り立ち」への応援コメント

  • ナイトレイ…ナイトレイ……どっかで聞いたような……と思ってたら、あの人(の、婿入り先)!(´・∞・` )見つけたー!

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    ラグナ・ナイトレイのお家ですね……。
    彼の婿入りした家の出自がこの国のようです!

  • うーん。
    謎が多い。
    どういう事なんだろう??

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    ガーネットさんはなにか訳ありな感じですね……。

  • 『責任』という一文字の匂わせ感がすごい
    (ФωФ)キニナリマス

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    ガーネットさんも訳アリの人のようです……。


  • 編集済

     作者 武緒さつき♀

    第55話 成り立ち
    「ドリゼラ・トレメインは、『ミッドレイ商会』を知っているか?」

     ダークが尋ねてきた。ミッドレイ商会、この国に住んでいる人なら知らない人はあまりいないんじゃないかな?

     米や味噌から武器や衣服に至るまで、いろんなお店を出している名家「ミッドレイ家」の運営する商業組織のことだ。たしか先々代の王妃ナザリア様はミッドレイ家のご出身だったと思う。

    「『王政廃止勢力』の後ろ盾はミッドレイ商会だ。――といっても、その中の一部、といった感じだがな」

    「ミッドレイ家の方々は、王妃ナザリア様がお家に戻られないことに対して、内閣への不信任決議案提出していました。それゆえ、内閣の、王宮の情報をいろいろ探っていたのです。それが王政廃止勢力の元となりました」

     アメシストさんの話だと、ナザリア様からの手紙はミッドレイ家に届いているそうだ。きっと彼女も不死となっていて楽園天国のどこかに住んでいるだと思う。

    「ミッドレイ家の力を借りれば、王立図書館内部へ行くのも可能かと思います。もし、ドリゼラ様がお望みなら、楽園天国の情報を提供してくれた者とお伝えすれば喜んで手を貸してくれると思います」

     お母さんとアナスタシア姉さんは、私に「偽天書」と言っている。最初の手紙から暗号が仕組まれていたのを鑑みると、楽園天国に入るきっかけと天書が偽物だと思わせたことは同じと考えていいと思う。
     だけど、私が下手に王立図書館の閉書庫を漁れば、それこそ母や姉が危険な目に合うのでは……、と考えてしまう。

     以前にアメシストさんの話を聞いたとき、天書に書かれていない世界に興味を少しもったのは事実だけど、説明なしに「天書は偽物」と言われても戸惑ってしまう。事実、私は母と姉の手紙の暗号に2年も気付かず、普通にここで過ごしていたんだから。

     ダークは、親御さんが元々王宮の関係者で、不可解な死を遂げてしまい、それから内閣に疑問をもつようになったと語っていた。

    「あの……、『カノンさん』はどういった方だったんでしょうか?」

     王政廃止勢力を掲げる人たちの中心人物、私は少し顔を見た程度だったけど、どんな人なのか気になった。

    「カノンは元々ミッドレイ家の運営するお店で用心棒をしていた男なんです。ただ、彼は悩み事をなんでも天書の教えに頼って解決しようとする、この国の人々の生き方そのものに疑問をもっていました。そして、もっと国を開け放つべきだとも考えていました」

     アメシストさんは虚空を見つめながら、思い出すように語ってくれた。

    「ミッドレイ商会は、この国でも数少ない外の国との交易を一部認められている組織です。外の世界の情報がより多く入ってくる環境にあったのかもしれませんね……」

     人々が頼り、内閣の権力の源でもある「天書の智慧」とその「ご写本」彼は、それが具体的にどういったものかを突き止め、国民に伝えようと活動していたそうだ。私を連れ去ったのもそういうわけだったのね……。

     国の在り方に疑問をもつ人や内閣を不信に思う人、そうした人たちが集まって、ミッドレイ商会という後ろ盾を得て、王政廃止勢力の組織はでき上がっていったみたいだ。

    「アメシストさんは、カノンさんの考え方に共感したとかですか?」

     私は今ここにいる2人についてもっと知りたいと思っていた。もしも、本当に王宮や内閣が危険だとしたら、信用できるのはこの人たちになるんだ。

    「私は……、外の国への憧れと責任です。それ以上は話せません」

     憧れはわかるけど、責任ってなんだろう? 彼女の話し方には追及を許さない拒絶を感じられた。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    和の雰囲気がたまに顔を出してくる。