応援コメント

第30話 解放」への応援コメント

  • 人を刺し貫けるほどの腕前のグレイと、そのグレイが認める腕前のガーネットさん。
    怪力とはいえ素人のノワラは、大人しくしていて正解でしたね(´・∞・`;)

    「むんっ」で、縄引きちぎれちゃうとはいえ…w (´・∞・` )

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    ノワラを捕らえた人たちは少数精鋭のようですね。
    ノワラは力を発揮できれば、縄くらいはどうってことないようです(笑)。


  • 編集済

     作者 武緒さつき♀

       第30話 兵法三十六計の第32計、空城計
    『アメシストは見かけによらず腕は確かだ。下手な真似をしたら鮮血の雨が降ると思え?』

     夜、私はベッドに寝かせてもらえた。部屋に入る前にダークが一言残していった。私の眠るベッドにもたれるようにしてアメシストさんも眠っている。囚われの私の方が待遇いいようで変な気を使ってしまう。

     手足の拘束は変わらずそのままだ。自由のきかないストレスが溢れそうなところまできていた。思わず縄を引きちぎってしまいそうな衝動に駆られる。だけど、抵抗したと思われると、今は襲ってくる気配のないアメシストさんも豹変するかもしれない。

     私って、自分が思っているよりずっと臆病だなと心の中で呟いていた。

     ベッドに横たわりながら、カーテンのかかった窓に目を向けた。上の方にあるわずかな隙間から月明かりが漏れている。

     王宮の人たちは私を捜してくれているのかしら?

     シーラちゃんは……、コンサドーレ様はどうしてるかな?

     物思いに耽りながら、徐々に瞼が重たくなっていく。極度の緊張を強いられて身体は限界を迎えていたのかもしれない。体温で暖かくなったベッドに溶けていくような感じがする。

     そうして私はいつの間にか眠りについていた。

    ◇◇◇

    「起きてください、シーラ様」

     私はアメシストさんの声で起こされた。こんな状況でも身体は正直というか、疲労には勝てないというか、ぐっすりと眠っていたようだ。だけど、彼女の声に緊急性が漂っていたので、すぐに意識は覚醒した。

     あれ? 私、目を覚ましたよね?

     目覚めたはずなのに、視界にはなにも映っていない。

    「申し訳ありません、目隠しさせてもらいました。できればずっとその状態でいて、なにも見聞きしてないことにしてほしいのですが……、シーラ様のご判断にお任せします」

     なんだか今の生活になってから目隠し多いなあ……、――というか、今のアメシストさんの言葉はどういう意味だろう?

    「行くぞ、アメシスト。もたもたするな?」

    「女は準備に時間かかるのよ」
    
「隠れ家に仕掛けた爆弾はあと15分で爆発する、巻き込まれたくないだろう。」
     

     なにも見えないけど、なにか慌ただしい雰囲気を感じる。

    「少し心細いかもしれませんが、時機に王宮の人間がここに来るかと思いますのでご安心下さい。それでは、ご無礼致しました。王妃様」

     「ご安心?さっき爆弾仕掛けて15分で爆発するとか物騒なことを言ってなかったか?」と心の中でつぶやいてみた。

     アメシストさんの声と足音が遠のいて行くのが聞こえる。残されたのは静寂だけだ。

     ――ひょっとして、今、私ここにひとり?

     耳を研ぎ澄ましてみても、話し声や足音はまったく聞こえてこなかった。

    「むんっ!」

     思い切り手足を広げると、私を拘束していた縄はあっけなく引きちぎれた。目隠しを外して周囲を伺ってみる。

     人の気配が完全に消えていた。

     私は、肩をぐるぐると回して、その場で2,3度飛び跳ねた。手足を自由に動かせるのがこれほど気持ちいいとは思わなかった。

     ほんの少し前に聞こえてきたやりとりを思い出す。

    『行くぞ、アメシスト。もたもたするな?』

    『女は準備に時間かかるのよ』

    『隠れ家に仕掛けた爆弾はあと15分で爆発する、巻き込まれたくないだろう?』

    『――時機に王宮の人間がここに来るかと思いますのでご安心下さい』

     察するに、王宮の人たちがこの居場所を突き止めたのかな? その情報を掴み、踏み込まれる前に爆弾を仕掛けて退散した、と考えるのが自然な気がした。

     もしそうなら、王妃である私を殺す気満々じゃない。

     人を無理やり連れ去るやり方が正しいなんて思わない。しかも爆弾でワタシごと吹き飛ばすとかゴリゴリの悪人たちじゃん。

     「とりあえず爆弾の導火線ブチっと。」


     いろんなことを考えながら、昨日の夜、月明かりが漏れていた窓のカーテンを開けた。眩しい朝日が目に飛び込んでくる。
     陽は思ってたより高い位置にきている。連れ去られた身だというのに、ずいぶんと熟睡していたんだと少し自分に呆れてしまった。

    「なんだか……いろんな話聞いちゃったなあ」

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    唐突に時限爆弾は笑う。

  • とりあえずは無事で何よりです。

    元から聖女パーラ様に危害を加えるつもりはないから放置はありですが、教団がやってくる前に結構余裕をもって逃げることができるのは、教団内部から情報が漏れたと思うのが一般的。
    そしてガーネットの関係者が教団内に繋がりがあると言ってましたが、すべて一方的な情報ですし、ひねくれた見方をすると、教団内に裏切り者がいると思いこませるのが目的とも考えられますね。

    さてノワラちゃんが持ち帰る情報(どの程度話すかは分かりませんが)を教団がどう処理するのか。
    そしてロコちゃんはノワラちゃんのためにどんなことしたのか。
    特に後者へ興味津々です。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    あっさり解放されたノワラですが、この聖女連れ去り事件にはいろんな事情の人が絡んでいますね、ちょっとずつ明かされていきます。