>たくさんの人を一度に運ぶ馬車より速い乗り物
路面電車?まさかスガワラさんが来る前の世界?
作者からの返信
コメントありがとうございます!
先のお楽しみですね!
鎖国政策は外部からの干渉がなければ、それなりにうまくいくでしょうね。
特に女神様からのご神託という、どこにもない(と思われる)アドバンテージがあれば尚更。
だけど鎖国が絶対悪いとは言い切れないの確かで、周りの状況によっては最善策という事もあり得ると思います。
ノワラちゃんはその見極めができるか、そしてパーラ様の助けは間に合うのか?
この事件が二人の関係性を深めるのは確かだと思うのですが、袂を分かつきっかけにならないことを祈るばかりです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
過去に他国の侵攻もあるので、それで危機に瀕していれば多少は変わったのでしょうが、女神様のご神託で、それすら乗り切っているのがこの国。閉鎖的になるのもある意味で仕方ないのかもしれませんね?
編集済
作者 武緒さつき♀
第29話 鎖国
「シーラ様は『兵法』についてどう思われていますか?」
アメシストさんからの質問だった。
国書の教えには「兵法」について、『それに触れればその身が戦争に引き寄せられ、混沌と戦乱の時代の幕開けになる』とある。それは人々から「ネトウヨ」と呼ばれ、兵法という言葉自体が忌み嫌われるものとなっていた。
「この国で兵法は一種の禁忌とされ、口にすることすら許されないようになっています」
私が返事に窮しているからか、彼女は続けて話始めた。
「ですが、外の国では兵法の智慧によって軍需産業の発展とともに技術が大きく発展し、夜の街を照らす灯りがあったり、近年ではたくさんの人を一度に運ぶ馬車より速い乗り物の開発を進めていたりするそうです。軍事技術の民生化により国民の生活は豊かになるのです。」
初めて聞く話だ。
夜の街を照らす灯り……? 月や星よりも強い光が夜の街を照らす光景は想像できなかった。松明
ともまた違ったものなのかな?
「そんなものがあるんですか?」
私はただただその話に興味を惹かれていた。これまで一度も耳にしたことない話だったから。
「この国は他国との交易を規制して、人や物の出入りは「出島」と言われる特定の場所にしかありません。ですが……、これは『表向き』の話です」
私は絵本を読んでもらっている子どものようにうんうんと頷きながら話を聞いていた。
「表向き……、と言いますと『裏』があるのですか?」
「仰る通りです。規制しているがゆえに、他国でしか手に入らないものは非常に高価なものとなります。この国の裏側では、闇の商人と取引をして他国の品を高額で売買している者もいます」
「本当なんですか? いきなりそんなこと聞かされても信じられません」
そう答えると、少し離れたところにいたダークが一冊の、数百年は前に書かれたと思われる厚い表紙の古びた本を持ってきてアメシストさんに手渡した。
「これは『六韜三略』という兵法の基礎の仕組みや扱う方法などを記した書物です。他国の商人が持ち込み、王宮の大臣が買い取ったものです」
「大臣様が!? 天書の教えに反しているじゃないですか!?」
「『王妃』は王宮にいいよう飼われているんだな、まるで忠犬だ」
ダークの嫌味が聞こえてくる。
「ダーク、余計なこと言わない。王妃様は私の話に耳を傾てくれているのよ?」
彼は私の顔を一瞥して、また少し離れたところに行った。
「国民を守る目的での規制なら話はわかります。ですが、実際は王宮の一部の人間だけが他国からの物品・情報を受け取り、独占している。もしくは、高額で流して利益を得ているのです」
「えっと……、その『六韜三略』は本物なんですか? 今の話だと簡単に手に入らないんじゃ……」
「詳しく話せませんが、私の知り合いに大臣補佐官の深部と繋がっている者がいます。これはその者が所持していました」
アメシストさんの言ってることは本当なのかな? 嘘だとして、王妃にこんな話を吹き込んでなにか意味があるのか……? 私にはよくわからない。
「私は兵法について知り、他国へ行ってみたいと思うようになりました。ですが、王宮は、一部の任務を除いて国民の出入りを禁じています。これは私たちが生きるうえでの選択の権利を奪っていると思うのです」
そういえば、私の両親も特別な任務で国の外へ行くような話をしていた。この国では王宮から許可が下りなければ、他国へ行くのは許されないのだ。
「普通はこんな閉鎖政策の運営は成り立たないと思うのです。ですが、それを可能にしているのが『天書の写本』です。ゆえに、私たちは知りたいのです。天書の著者とは何者なのか? 写本とはなんなのか?」
アメシストさんが騙そうとしているようには思えなかった。私が単純なだけかもしれないけど。
ただ、代々の王妃様の行方や国の外へ出てはいけない理由とか……、こうして言われるまでは全然疑問に思わなかった。
他国への出入りを許してしまうと、王宮の一部の人が利益を独占できなくなるから?
仮にそうだとして、それなら王妃様の行方の話はなに? 関係性がよくわからない。
「私たちは手荒なことをするつもりはありません。ただ、今の話を聞いて、もし国の在り方や天書の著者について少しでも疑問に思われたのなら、王妃様の知っていることを教えてほしいのです」
アメシストさんは、嘘偽りがない意思表示かのように私の目をじっと見つめてきた。私が天書について話せるとしたら、シーラちゃんの言っていたことだけ。
『7の文字だけはかろうじて判別できる。』
この人たちに話してしまっていいのか。
おそらく著者は七星の賢者様。
ううん、シーラちゃんが絶対ダメって言ってたもの。
「アメシストさん、たちの話はわかりました。私に考える時間をくれませんか?」
絶対に話してはいけない、そう言われたのに……。大事な友達のシーラちゃんからの頼みなのに、私の心は揺らいでいた。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
本編から話が変わってきた!
グリモア…っ!(´・∞・`;)他にも、いろいろとつながってきましたね
作者からの返信
コメントありがとうございます!
「閃く……」の話題につながりそうな話ですね!