第7話



 早速セネアさんに案内され、俺に支給された自室へと向かう。しかし


「ここ、さっきの部屋ですよね」

「………そうだな」


 最初から俺がこの道を選ぶと分かっていたかの様な対応に少し不快感を感じる。ラウル・ペナード、やはり食えない男だ。見た目こそ少年だがおそらく彼もセネアさん同様、いや従えているのならそれ以上に只者ではないのかもしれない。


「あと伝え忘れてたけど、君の刀はそこのタンスにしまってる。大切そうなものだったから最低限の手入れはしておいた」

「あ、ありがとうございます」

「別に、気にしないでいい。じゃ」


 そうしてセネアさんは部屋から出る。タンスを開けてみるとそこには一振りの刀が丁寧に置かれていた。


「(しまった、ここでの生活について聞き損ねたな……)」


 どっちみち後で会うだろう。今日は色々なことがあり過ぎて疲れた。さっきまで横になっていたベッドに再び寝転がる。


「(シグ……)」


 王都に置いてきた幼馴染であり、相棒だった彼女の事を思い馳せる。まだ数日足らずしか経っていないが、うまくやっていけているだろうか。


「(いや、アイツならきっと大丈夫だ)」


 あれほどの使い手を放っておくわけがない。それに才能がないからと言って努力を怠らなかったアイツだ。きっと新しい仲間と共にさらに高みを目指しているに違いない。


「(そのうち立派な騎士になってるだろうさ)」


 残念ながら俺はもうその道には進めなくなってしまったが。


「(仲間、か)」


 俺以外のアイツの相棒。どんな奴と組むのだろうか。それを考えるとかつて交わした約束を思い出し、なんだか寂しく感じた。








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