らすとげーむっ!えんじとですげーむ(1)
「それで
ここは
「はい。あのまま文也様を連れていかれた場合足取りを追えなくなる可能性がありましたのでお泊りといった形でお連れしました。」
「よくやった。特殊能力管理課第一管轄の
「かしこまりました。」
黒川との話から数日が立ち
「旦那様、特殊能力管理課第一管轄部署についての情報が出そろいました。」
「聞こう。」
「まず特殊能力管理課第一管轄部署は内閣情報調査室直属の組織らしく政府公認で情報統制もひかれているためこの組織を知っているものは限られているとのことです。」
「またどデカいところの所属だな……内閣情報調査室それも直属か、それは知らないわけだ。内調が本気で隠蔽すれば誰にも知られることはない。さて、政府公認と来たか、どうしようか。」
「文也様を政府にお渡しするという考えはあるのですか?」
「う~んまあ四割ってところかな。さすがの私も国に牙は向けないからね。国が要求してくるのならこちらはそれに従わざるをえない。ただまあ書状でももって強制してこない限りは守り通すつもりだよ。娘に一生恨まれるのはごめんだからね。」
「では政府と戦うことを想定して対策を立てますね。」
「頼む。」
「かしこまりました。」
「そうだ。
「ええ、元気に登校して行きましたよ。」
「そうか。子供たちの未来は私たちが守らなくてはいけないな。」
「はい。」
そうして場面は変わり幼稚園へ
「ふみや?それでけっきょくあのあとなにかありましたか?」
「ん~ん~とくになにもおきなかった~」
「おとうさまにいろいろとおききしたのですが~どうもふみやくんをつれて行こうとした人はくにのなかでもえらい人みたいでおとうさまもすごくあたまをかかえていました~」
「えらい人ですか……たしかにそれはたいへんですね。」
「まあおれたちがかんがえてもなにもできないしくるみのおとうさんをしんじようかな~」
「そうですわね~」
幼稚園で楽しく遊んだ後お迎えの時間が訪れた。ただ今回は少し違うような雰囲気が幼稚園全体を包んでいた。いつもならお迎えの人が来た時に名前を呼ばれるのだが今回は誰も呼ばれず入り口で先生たちが誰かと話していた。
「……――――ですから……できないんです。」
「我々は……――――」
「なにをはなしてるんだろうな~」
「さあ~ただなにかあったのはたしかですね。」
「なみせんせいたち、だいじょうぶかな……?」
「まあたいじょうぶじゃないか?」
心配顔をしている
「まあしばらくまってましょうか~」
しばらく待っていると先生たちがこちらに近づいてきた。
「文也君、少し聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「どうしたんですか?」
「それがね、文也くんのことを迎えに来たって言う女性が来てるのだけど知っている人かな?
黒川という名前を聞いて五人は円を組んでヒソヒソと話し始めた。
「くろかわっておねえさんのことだよな?」
「そうだね。ということはえらい人ということですかね?」
「そうだとおもいますけど~でもふみやくんをつれて行こうとしているのはたしかなのでおとうさまにいそいできてもらいましょうか~」
「うん!おねがい!」
胡桃は先生に事情を話しお父さんが来るまで待つこととなった。
一時間して黒服を引き連れた胡桃のお父さん、鳳城明彦が現れ幼稚園入り口で黒スーツの人と話し合っていた。
「おとうさま~」
「胡桃ちゃん!よかった。今日は楽しかったかい?」
「ええ~とてもたのしかったです~」
「そうか~それはよかったよ~」
「それでおとうさま~あの人たちはだいじょうぶなのでしょうか~」
「今お父さんと話し合っている最中だからもう少しだけ待っていてくれないかな?」
「わかりました~」
「颯。」
「はい。何でございましょう。旦那様。」
「胡桃とあと四人の子達を私の家に連れて行ってくれないか?多分話合いになった時彼らの同席は必要になると思うから。
「かしこまりました。」
明彦は黒スーツの人たち、黒川たちと話し合っている。その間に五人は颯に連れられて胡桃宅へ向かった。
「ふみやならまでしもどうしてくるみのいえにおれらがむかうんだ?」
「それは三人がいちばんふみやくんとあそんでいたためですよ~」
「われわれはいわゆるじょうほうげんというわけですね。」
「そうですね~」
「……???」
家に着くなり家の中でも一番広いリビングに通されお菓子を出されたので椅子に座って五人で食べていた。
三十分ほどが経ったときか明彦らと黒川たちが一緒にリビングに入って来た。
「待たせしてごめんね。君たち」
「いえいえ。おきになさらずに。おかしもありがとうございました。」
『ありがとうございます。』
「あ~いいよいいよ~それより話が付いたからまずはその話をしようか。」
黒川たち内調組と明彦は文也たちの対面に座る形で席に着いた。
「まずは僕たちだけで話した内容を話そうか。」
そう言って明彦は黒川たちと幼稚園の前で話した内容を説明しだした。
「それであなた方はどこのどちらで何をしにここに来られたのですか?」
「それはもうご存じのはずではないですか?」
「あなたは?」
明彦に話しかけてきたのは黒川の直属の上司の男だった。
「私は内閣情報調査室直属特殊能力管理課第一管轄部署部長の
「どうもよろしくお願いします。長谷川さん。またずいぶんとながったらしく大層なお名前の部署に所属して。」
「私もながったらしいとは思いますが初対面の方には正式名称でお答えしなければいけない決まりがございまして。」
「そうですか。それで、内調直属のお偉いさん方が幼稚園に何の御用で?」
「
「ただの子供にコンタクト?」
「こちらもあなたのことに関して色々と調べさせていただいております。ですのでこのような場所で腹の探り合いをするのではなく単刀直入にお話しませんか?」
「かまいませんよ。たださすがに入り口前でお話というのも迷惑な話ですから車まで移動してそこでお話ししましょう。」
「わかりました。」
車まで移動し、明彦が乗る黒塗りの車に明彦と護衛で黒服が一人、内調からは長谷川と黒川が車に乗り込んだ。
「さて、ここでならまず誰にも聞かれないでしょう。」
「ご配慮ありがとうございます。それでは単刀直入お話します。竹谷文也君彼を私たちにお預けいただきたい。」
「それは文也君の親御さんにお聞きするのが筋では?」
「今彼を預かっている、いえ匿っているのがあなたです。話をつけるのなら先にあなたとでないと話が進まないと判断したためです。」
「そうですか。一つお聞きしたいのですが彼を預かってあなたたちは彼に何をしようとしているのですか?」
「人体実験や非人道的な行為を彼にするものと思っているのでしたら大きな勘違いです。我々は政府公認組織です。そのような人道に反する行為は絶対にしないと約束します。」
「じゃあ何のために連れて行くのですか?」
「彼の能力が暴走して死人を出さないように能力をコントロールできるようになってもらう為です。」
「……確かにもっともらしいことは話しているようですが大切なことをお忘れではないですか?」
「それは?」
「彼本人の意思です。彼の気持ちを確認するべきではないですか?」
「我々もそれには賛成いたします。」
「では一度我が家に戻りましょうか。そして彼本人の意思を確認しましょう。」
「わかりました。」
「そうして我々はここまで戻ってきたわけだけど私もこの人もまずは君の意思を確認しようと考えていてね。君はどうしたい?」
「えっと、えっと、」
「大丈夫よ、焦らず自分の意見を言ってちょうだい」
黒川の優し気な瞳を見てある案を考え付く。
「えっと、じゃあおれとげーむしてかったほうがすきにするってのはどうかな?」
「ゲームをする?」
「さ、されって……」
「うん。おねえさんがこのまえしたのとおなじやつ、ただげーむのないようだったりはかえるつもりだけど。」
「……君はそれでいいのかい?」
「部長!」
黒川の制止の声を首を振って止める。
「おれはそれでいいよ。」
「わかった。じゃあ俺とゲームをしよう。ルールもゲーム内容も君の好きなようにしていいから。」
「わかった。どうしようかな~」
「それでしたら~むこうも五人、こちらも五人ということで五人たい五人のゲームにしませんか?」
「あ!それいいね!それがいい!えっとてっぺい、あやと、あやか、くるみ、いっしょにあそんでくれるか?」
「しかたがないですね。手をかしましょう。」
「わたしもてつだうよ……?」
「もちろんおれもこんなたのしそうなげーむやらないわけがないよな!!」
「わたしもかまいませんよ~」
「みんな、ありがとう!きまったよ!おにいさん!」
「本当にそれで大丈夫かい?」
「うん!」
「わかった。じゃあゲームを始めようか。」
長谷川の合図とともに世界が真っ白に染まり再び色づき見えた空間は何もない真っ白な空間に黒川たち含めた十人が飛ばされた。
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